有色家兎の網膜色素上皮絽胞(RPE)を用いて、網膜色素上皮保護蛋白(RPP)の作成を施行した。形態学的にRPF培養細胞であることの確認後、crude RPPの作成を施行し、以下の2実験を行なった。 実験1 有色家兎のエンドトキシン誘発ぶどう膜炎(EIU)におけるRPPの作用 実験2 有色家兎のオルニチン網膜症に対するRPPの作用 実駄1ではリポポリサッカライド(E.coli)を有色家兎の硝子体内に注入しEIUを惹起させ、同時にRPPを硝子体内に注入した。対照群には加熱非活性化したRPPを用いた。24時間後に眼球を摘出し、細胞数と蛋白濃度(前房内、硝子体内)及び虹彩と毛様体、脈絡膜、網膜に含まれる過酸化脂質(Conjugated diene)を測定した。 細胞数は前房内、硝子体内とも対照群と有意差はなかった。蛋白濃度は硝子体内のみで有意差がみられ、RPP注入群1.11±0.10(mg/ml)、対照群1.59±0.26であった(P<0.005)。過酸化脂質は網膜のみで有意差がみられ、RPP注入群43.3±6.7(nmol/eye)、対照群49.6±5.6であった(P<0.05)。よってRPPはEIUモデルにおいて硝子体内の蛋白漏出を抑え、また網膜組織障害を軽減させる作用があると考えられた。 実験2に関しては現在、病理学的検索中である。
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