研究概要 |
我々は今回の科学研究費で、漢方薬による眼炎症性疾患に対する基礎的・臨床的研究を行った。まず基礎的研究では、リポポリサッカライド(LPS)とプロスタグランジンE2_2(PGE_2)で惹起した眼内炎症に対する漢方薬(黄連解毒湯・洗肝明目湯・柴苓湯)の抑制効果を調べた。黄連解毒湯・洗肝明目湯・柴苓湯はLPS惹起眼内炎を抑制し、さらに黄連解毒湯・洗肝明目湯がPGE_2惹起眼内炎を抑制することを明らかとした(American Journal of Chinese Medicine,in press)。さらに黄連解毒湯湯・洗肝明目湯・柴苓湯に共通して含有される生薬である、オウゴンとその含有成分である、baicalein, baicalin, wogoninがLPS惹起眼内炎をよkすることを明らかとした(Japanese Journal of Ophthalmology, in press)。臨床研究では、ヒト白内障術後眼内炎を葛根湯と黄連解毒湯が抑制することを明らかとした(Journal of Ocular Pharmacology and Therapeutics, in press)。これらの基礎的・臨床的研究によって眼炎症性疾患に対する漢方薬を用いた新しい治療法を発見した。
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