研究課題/領域番号 |
10671640
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
山本 哲也 岐阜大学, 医学部, 助教授 (50134581)
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研究分担者 |
川瀬 和秀 岐阜大学, 医学部附属病院, 助手 (40234067)
谷口 徹 岐阜大学, 医学部, 助手 (30179840)
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キーワード | 緑内障 / 視神経症 / マイトマイシンC / 神経保護 / NMDA拮抗薬 |
研究概要 |
1. 長期観察を行った原発開放隅角緑内障ならびに正常眼圧緑内障の治療成績を視機能、眼圧コントロールの点からパーソナルコンピュータを用いて解析した。解析には、重回帰分析、比例ハザードモデルなどを用いた。原発開放隅角緑内障では、手術治療により、視野予後の改善が認められ、手術治療がきわめて有効であることを認めるとともに、一部症例で手術合併症のための視機能の低下することがあることを8年の長期観察データから明らかにすることができた。また、正常眼圧緑内障では、眼圧下降治療の有効なこととともに、11年の観察データによりカルシウム拮抗薬による薬物治療が視野予後に良好に作用することをはじめて明らかにするとともに、視神経乳頭出血などの臨床因子が予後不良因子であることを証明することができた。 2. マイトマイシンCの新規投与法に関する実験に関しては、ゲル化剤配合マイトマイシンCの結膜、テノン嚢内での薬物動態を検討する基礎実験を終了し、家兎眼における緑内障手術モデルで眼圧動態ならびに濾過胞形態の観察を行った。現在、新規投与を行った動物モデルの眼球組織を組織学的に調べ、薬物の効果および安全性を検討している。 3. 神経保護治療の動物実験に関しては、ラット眼を用いてレーザー照射による緑内障モデルと視神経損傷モデルを作成するとともに、網膜神経節細胞の定量的観察システムを構築した。このモデルを用いて、NMDA拮抗薬(MK-801、メマンチン)の神経保護作用を検討し、同薬物が用量依存的に神経保護作用を発揮することを認めた。また、FK-506が同じく神経保護作用を有することを明らかにした。
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