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2000 年度 実績報告書

酸化ストレスによる網膜の過酸化反応におけるアルデヒドの役割

研究課題

研究課題/領域番号 10671641
研究機関浜松医科大学

研究代表者

平光 忠久  浜松医科大学, 光量子医学研究センター, 教授 (00084567)

研究分担者 大林 雅春  浜松医科大学, 光量子医学研究センター, 助手 (90270553)
キーワード酸化ストレス / 網膜 / 過酸化反応 / アルデヒド
研究概要

酸化ストレスの網膜の過酸化反応に及ぼす背景について研究する目的で、最初に次の研究を行った。遺伝性網膜変性をもつRCSラットと正常ラットの網膜色素上皮細胞におけるグルタチオンパーオキシダーゼ(GSH-PO)の局在を調べた研究において、免疫組織学的方法により、網膜視細胞外節の変性は視細胞内節のミトコンドリアに傷害を与え、その結果、GSH-POは内節から変性した外節へ移動することが分かった。
平成11年に計画した、網膜色素上皮細胞への蛍光灯による照射によるアルデヒドの形成に関する実験では、ウシの網膜色素上皮細胞の培養実験において、蛍光灯照射の与える影響をリノール酸(LA)またはリノール酸過酸化物(LHP)を添加した培養条件において調べた。蛍光灯照射は網膜色素上皮に活性酸素が関与する細胞傷害を与えることが分かった。平成10年度に計画した鉄惹起性の網膜過酸化脂質の形成系における蛍光物質(RPE)の生成とアルデヒドの形成を調べる実験においては、4-hydroxy-2-nonenal(HNE)、グルタチオン抱合体、をHPLC蛍光法などにより測定した結果、RFPの生成はアルブミンの存在下において著明に増加し、HNEはインキュベーション開始直後から増加し、その後、減少した。網膜グルタチオンはRFPの増加とともに減少したが、網膜ホモジェネートと標準HNEを反応させることにより、速やかにグルタチオン抱合体が形成されることを認めた。その他の実験結果と合わせて考えると、RFPの生成に過酸化脂質由来の不飽和アルデヒドが深く関与すること、過酸化反応が関与する多くの病変において毒性の非常に高いアルデヒド、特に、HNEが介在して組織傷害を増強させる可能性が示唆された。さらにグルタチオンが過酸化反応から生じるアルデヒドの抑制をすることなど、重要な知見が得られた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] K.Akeo: "Changes in lipid peroxide level in retinal pigment epithelial cells in vitro upon addition of linoleic acids or linoleic acids hydroperoxides under varying concentrations of oxygen"Pigment Cell Res. 11. 320-326 (1998)

  • [文献書誌] K.AKEO: "The localization of glutathione peroxidase in the photoreeptors cells and the retinal pigment epithelial cells of Wistar and Royal College of Surgeons dystrophic rats"Pigment Cell Res. 12. 107-117 (1999)

  • [文献書誌] K.Akeo: "Effects of fluorescent light on growth on bovine retinal pigment epithelial cells in vitro incubated with linoleic acid or linoleic acid hydroperoxide"Pigment Cell Res. 12. 199-205 (1999)

  • [文献書誌] K.Akeo: "Melanin granules prevent the cytotoxic effects of L-DOPA on retinal pigment epithelial cells in vitro by regulation of NO and superoxide radicals"Pigment Cell Res. 13. 80-88 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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