研究課題/領域番号 |
10671660
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
山崎 芳夫 日本大学, 医学部・眼科学教室, 講師 (30175658)
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研究分担者 |
乾 成里 日本大学, 工学部・電気工学科, 講師 (40176409)
加島 陽二 日本大学, 医学部・眼科学教室, 講師 (70194719)
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キーワード | 眼循環 / 交感神経 / 血流 / コンピューター・シミュレーション |
研究概要 |
本研究課題である「眼内血管系の血行障害モデルの構築と病態の解明」を目標として平成12年度は下記の研究成果を得た。 1)生体眼の眼窩内血管血流、綱脈絡膜組織血流、および眼房水産生に対する神経性調節機構に関する情報収集 成人健常者5名を対象に直線偏向型近赤外線治療機を用いて、片側の頸部交感神経節(星状神経節)遮断を行い、走査型laser Doppler flowmeterによる網脈絡膜組織血流測定、laser flare meterによる眼房水蛋白濃度測定、applanation tonometerによる眼圧測定、および全身血圧、脈拍、瞳孔径の経時的測定を行った。また1週間後、無処置下にて同様の測定を行った。 頸部交感神経節遮断施行前と施行後30、60、90分後の眼房水蛋白濃度、全身血圧、瞳孔径、眼圧には差は認めなかったが、脈拍は90分後に有意に低下した(ANOVA:p<0.01)。網脈絡膜組織血流は頸部交感神経節遮断側において30分後に有意に増加した(ANOVA:p<0.05)。頸部交感神経節遮断により眼房水蛋白濃度、全身血圧、瞳孔径、眼圧に変化はなく、脈拍低下と網脈絡膜組織血流増加を認めた結果は、眼内血行動態に対して、眼局所因子のみならず全身的な自律神経系による自動調節機構が関与することが強く示唆された。 2)眼内血行障害の電気的回路モデルの構築 生体眼に対する交感神経遮断薬点眼実験(平成10・11年度)、頸部交感神経節遮断実験(平成12年度)により収集された眼窩内・網脈絡膜血流情報および全身・眼局所の情報に基づき、影響因子をパラメーターとした眼循環動態のコンピューター・シミュレーションによる眼内血行障害の電気的回路モデルは現在構築中である。
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