研究概要 |
前年度作製したE1AFcDNAを酵母転写因子GAL4のDNA結合ドメインとの融合蛋白として発現するようにクローニングしたE1AF発現bait vector pAS1E1AFを用いて、yeast two hybridシステムを用い、結合タンパクの同定を試みた。しかし、酵母内でのタンパクの発現が少なく、転写アクチベーターGAL4adのtagのついたpGAD10に組み込んだヒトcDNAライブラリーとのhybrid形成はほとんど認められず、陽性酵母株の分離は成功しなかった。 このため、フラッグシステムを用いた結合タンパクの解析を試みた。 PCRでFLAGペプチド配列(Asp,Tyr,Lys,Asp,Asp,Asp,Asp,Lys)をもつE1AFcDNAを合成し、真核細胞発現ベクターpCDNA3に組み込み、FLAGE1AF発現ベクターpCDNA3FLAGE1AFを作製した。in vitroでのFLAGE1AF発現を確認後、293細胞に遺伝子導入し、G418セレクションによりstableにFLAGE1AFを発現する293flagFを得た。この細胞を大量培養し、タンパクを抽出し、FLAG抗体を含むアフィティーカラムによりE1AF結合タンパクを分離した。我々が既に報告しているマトリックスメタロプロテアーゼや細胞周期阻害遺伝子/遺伝子産物p21の他に数種類の結合タンパクが分離された。現在、これらのタンパクの解析を行っている。
|