研究課題/領域番号 |
10671696
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
大島 勇人 新潟大学, 歯学部, 助教授 (70251824)
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研究分担者 |
井上 佳世子 (野澤 佳世子) 新潟大学, 歯学部, 助手 (90303130)
河野 芳朗 新潟大学, 歯学部, 助手 (60303129)
前田 健康 新潟大学, 歯学部, 教授 (40183941)
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キーワード | 歯胚形成 / エナメル結節 / アポトーシス / エナメル器 / エナメル芽細胞 / Msx-2 / マウス / エナメル質形成不全 |
研究概要 |
平成11年度科学研究費補助金を受け、in vitroにおける歯胚のアポトーシスを抑制し、歯胚に惹起される影響、ホメオボックス遺伝子Msx-2ノックアウトマウスにおける歯の形態異常について検索し、以下の事を明らかにした。 1.in vino、in vitroにおける歯胚のエナメル結節を微細構造学的に観察した結果をふまえ、アポトーシスの抑制が歯胚形成に与える影響について検索した。E13〜E15日齡のマウス下顎第一臼歯歯胚を摘出し、歯胚を培養し、CED-3/interleukin-1 Beta-converting enzyme(ICE)インヒビターをin vitro歯胚に加える事によりエナメル結節のアポトーシスを抑制し、歯胚形成過程を光顕・電顕にて観察した。アポトーシス抑制実験において、DEVD単独では有効なアポトーシスの抑制がみられなかったが、Z-VADとDEVDの混合により、アポトーシス小体様果粒の減少が観察された。アポトーシスの抑制により歯胚の大きさの減少とエナメル器の細胞密度の増加が引き起こされることが明らかとなり、Msx-2ノックアウトマウスにおいてエナメル器のアポトーシスが抑制され細胞密度の増加が引き起こされる結果と相関があることが推測された。 2.Msx-2ノックアウトマウスにおいて、歯胚上皮の中間層・星状網・外エナメル上皮への分化が阻害され、エナメル芽細胞のネクローシスが惹起され、エナメル質形成不全が引き起こされることが明らかとなった。また、Msx-2遺伝子欠損は、エナメル器のアポトーシスの阻害、歯冠の形態異常、齧歯類臼歯に特徴的なenamel free ariaの消失を引き起こすことが明らかとなった。
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