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1998 年度 実績報告書

唾液腺腫瘍細胞の増殖に影響を与える細胞周期制御因子と基質成分の解析

研究課題

研究課題/領域番号 10671700
研究機関広島大学

研究代表者

小川 郁子  広島大学, 歯学部・附属病院, 講師 (70136092)

研究分担者 宮内 睦美  広島大学, 歯学部, 助手 (50169265)
伊東 博司  広島大学, 歯学部, 助手 (20184682)
高田 隆  広島大学, 歯学部, 助教授 (10154783)
キーワード唾液腺腫瘍 / 細胞周期制御因子 / p27 / アポトーシス / bcl-2 / bax / グリコサミノグリカン
研究概要

唾液腺腫瘍細胞の増殖活性の促進に影響を与えると考えられる細胞周期制御因子の異常および間質成分、腫瘍細胞のアポトーシス抵抗性について、主に臨床材料を用いて検討し、以下の知見を得た。
1. 悪性唾液腺腫瘍のなかで発生頻度の高い腺様嚢胞癌を対象に、cyclin/cyclin dependent kinase(CDK)複合体の阻害タンパクであるp27の発現と臨床態度との関係を調べた結果、p27の発現が減弱消失している症例は有意に高頻度に転移を起こし、予後不良であることが明らかとなった。一方、同じくcyclin/CDK複合体阻害タンパクであるp21の発現はほとんどの症例で保たれており、腺様嚢胞癌では、p21の増殖促進・転移への関与は少ないものとみなされた。
2. 唾液腺炎ならびに各種唾液腺腫瘍におけるアポトーシス関連タンパク(bcl-2,bax)の発現を調べた結果、唾液腺炎では腺房細胞でbaxの発現が上昇し、アポトーシスに対する感受性が高まっていることが示唆された。一方、唾液腺腫瘍での両タンパクの発現は様々で、多形性腺腫、基底細胞腺腫や腺様嚢胞癌ではしばしば腺腔形成細胞にbaxの、外層細胞にbcl-2の明瞭な発現が観察されたのに対して、腺房細胞癌では腫瘍細胞全体がbcl-2をbaxよりも強く発現し、アポトーシス抵抗性であることが示唆された。また、粘表皮癌では分化の程度により発現の違いが観察され、高分化型では両タンパクともに強く発現されていたが、低分化型ではbaxの発現がより強く、細胞増殖活性とアポトーシス感受性との間に関連のあることが考えられた。
3. 多形性腺腫で細胞外マトリックスであるグリコサミノグリカンの発現と局在を調べた結果、軟骨様域や上皮域に核にヘパラン硫酸の局在を示すものがあり、それらは増殖活性が低く、より分化の進んだ細胞であることが示唆された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 小川 郁子: "唾液腺病変におけるBcl-2 family蛋白発現の変化" 歯科基礎医学会雑誌. 40・補. 362 (1998)

  • [文献書誌] Zhao,M.: "Localization of glycosaminoglycan (GAGs) in pleomorphic" J.Oral Pathol.& Med.27 6. 272-277 (1998)

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公開日: 1999-12-13   更新日: 2016-04-21  

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