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1998 年度 実績報告書

H^+-ATPase阻害剤による破骨細胞機能と骨改造の制御機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 10671712
研究機関昭和大学

研究代表者

佐々木 崇寿  昭和大学, 歯学部, 教授 (50129839)

キーワード破骨細胞 / 波状縁 / H^+-ATPase / H^+-ATPase阻害剤 / Bafilomycin A1 / 骨吸収 / 歯科矯正 / 電子顕微鏡
研究概要

破骨細胞の波状縁に局在するH^+-ATPaseは、H^+の能動輸送によって骨結晶を脱灰する最も重要な機能的指標である。H^+-ATPaseの特異的阻害剤であるBafilomycin A1は、in vitroでの破骨細胞の骨吸収能を用量依存的に抑制する。しかしBafilomycin A1が、破骨細胞の構造と機能にいかに影響するかは明らかでなかった。一方矯正学歯科の領域では歯槽骨の改造によって歯を移動するため、歯槽骨吸収の局所的な抑制が、有用な薬理学的制御になりうる。そこでラット臼歯の実験的移動における、破骨細胞の骨吸収活性に対するBafilomycin A1の影響を明らかにすることを計画した。
歯の移動実験はワルド法で行い、矯正力の発現のために矯正用顎間ゴムをラットの上顎第1・2臼歯間に挿入し、ゴム挿入後にBafilomycin A1を腹腔内投与した。ゴム挿入後、経日的に臼歯の移動程度と歯槽骨の改造状態、破骨細胞の分布と構造の変化を、光顕、走査電顕および透過電顕で観察した。
その結果、Bafilomycin A1は破骨細胞の波状縁形成を阻害し、用量依存的に歯槽骨吸収を抑制することによって、矯正学的な歯の移動を制御できることが明らかとなった。あわせてBafilomycin A1投与が破骨細胞以外の間葉細胞や上皮細胞に及ぼす影響を検討したが、破骨細胞におけるような抑制的な作用は観察されなかった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Nakamura,I.et al.: "Tyrosine phosphorylation of pl30Cas is involved in actin orgenization in osteoclasts" Journal of Biological Chemistry. 273.18. 11144-11149 (1998)

  • [文献書誌] Shimizu,M.et al.: "Bone wound healing after maxillary molar extraction in ovariectomized aged rats" Journal of Electron Microscopy. 47.5. 517-526 (1998)

  • [文献書誌] Sasaki,T.et al.: "Long-term therapy with a new chemically modified tetracycline (CMT-8)inhibits bone loss in femurs of ovariectomized rats" Advances in Dental Research. 12. 76-81 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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