研究概要 |
(1) Sez12のマッピングおよびヒト染色体とのリンケージ解析 近文系マウスと野生マウスとの戻し交配により得られた100匹のF2マウス染色体DNAからマイクロサテライトマーカーを用い、Sez12多型分布パターンを解析した。Sez12はマウス第16番染色体のテロメア近傍に位置するD16Mit143マーカー領域に存在していた。このマウス染色体領域は、ヒト第22番染色体q11領域との間で高い相同性が認められており、Sez12がDiGeorge症候群の染色体欠損領域に存在するDGCR2/IDD/LANのマウスホモログであることが示された。 (2) マウス発生段階におけるSez12の発現解析およびプロモータ解析 マウス発生段階におけるSez12発現レベルをRNAblotおよびin situハイブリダイゼーションにより検討したところ、胎生12.5-14.5日目胎仔の頭部、特に顔面領域および第一鰓弓に強い発現シグナルが認められた。さらにSez12染色体DNA領域をクローニングし、プロモータ領域を検討した。プロモータ活性をもつ遺伝子領域の塩基配列を検討したところ、転写因子SPl,AP-2の結合配列が存在していた。AP-2ノックアウトマウスは発生段階に顎顔面領域形成障害を示すことから、Sez12がAP-2の標的遺伝子の可能性が考えられ、顎顔面領域発生との関連性が伺える. (3) Sez12ノックアウトマウスの作製 Sez12発現を停止させ、GFP遺伝子マーカーを発現させるターゲティングベクターを構築した。現在ES細胞に導入し、相同組換えクローンをスクリーニングしている。
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