P.nigrescensの産生物を抗ヒトIL-1β抗体を用いたアフィニティカラムにより分離した高速液体クロマトグラフィーを用い精製し、電気泳動およびウエスタンブロッティングにより抗ヒトIL-1β抗体との反応性を再度検討した。その結果、明確な反応性が認められ、ヒトIL-1βとほぼ同一の分子量を持つものの、N末端30までのアミノ酸組成はヒトIL-1βのそれとは異なっていた。たがって、産生物質のアミノ酸分析結果からは、ヒトIL-1βとの相同性は低く、類似の抗原性を有するものの、異なった物質である可能性が強いものと考えられる。また、それぞれのDNAおよびmRNAを抽出しPCR法およびTR-PCR法により検討を行った。総DNAにより行ったPCR法ではバンドは、ヒトマクロファージ細胞株により検出されるバンドの位置の近辺に微生物産生ヒトIL-1β様物質のバンドが認められるものの、同一とは認めがたいものであった。今後ヒトIL-1β様物質の抗体結合部位について詳細に検討し、生体細胞に及ぼす影響を詳細に必要があるものと思われる。
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