研究概要 |
これまでの実績および今後の課題 研究代表者と同分担者は申請課題に対する研究を行い,以下の点を明らかにしてきた。 a) 生後のラット咬筋(出生直後から2週齢)を用いて食性変化期前後について ・透過型電子顕微鏡による観察では成長に伴いミトコンドリアの大きさが増大し,特に,生後10日後にクリステが発達したことを明らかにした(J.Dental Res77(11):1926-1930,1998)。 ・同時期のエネルギー産生糸酵素としてミトコンドリア内コハク酸-酸素酸化還元酵素およびNADH-酸素酸化還元酵素の活性の測定から生後10日後にこれら酵素の活性が増大してくることを解明した(J.DentalRes77(11):1926-1930,1998)。 b) 上記検索所見から咀嚼筋ミトコンドリア呼吸鎖酵素の活性が生後10日前後すなわち,食性変化時に咬筋に含まれるミトコンドリアの大きさの増大と比例して,酵素の活性も高くなることが判明した(AmericanZooologist,38(5):67A,1998)。 このため,今後は以下の点について検索する。 食性変化(軟食)が筋に与える影響をa)ミトコンドリアの形態観察,定量化。さらに,b)エネルギー産生系のミトコンドリア内コハク酸-酸素酸化還元酵素およびNADH-酸素酸化還元酵素活性の測定,などにより,形態と酵素の全反応を酸素消費のレベルから生体内の筋全体活性評価から,咀嚼筋発達の機構解明と顎全体の発育から考察し,論文化する。
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