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2000 年度 実績報告書

嚥下運動の延髄内統合機構に関する神経生理学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 10671737
研究機関山形県立米沢女子短期大学

研究代表者

宮岡 洋三  山形県立米沢女子短期大学, 助教授 (10134941)

キーワード食塊量 / 感覚評価 / マグニチュード推定法 / ベキ法則 / 嚥下運動 / 一回嚥下量 / 嚥下容易度 / 食品物性
研究概要

本年度は、嚥下に関連する感覚機構を中心に調べた。手法としては、「マグニチュード推定法」を使用して感覚の定量化をおこなった。得られた主な知見は、以下のようである。
(1)口腔の食塊量-健常な被験者を対象として、食塊の容量ならびに重量に関する感覚評価を実施したところ、食塊量(物理量)とそれに伴う感覚強度との間には、いわゆる「ベキ法則」が成り立った。食塊の容量をS、感覚強度をΨとすれば、両者間にはlogΨ=1.152logS+0.459という関数関係が得られた。これは、Ψ=2.877S^<1.152>と書き換えることができ、「ベキ法則」に従う。このような関数関係は、口腔内の食塊容量ばかりでなく食塊重量についても認められた(日本官能評価学会誌、印刷中)。
(2)嚥下の容易度-食塊の飲み易さについて、液体を用いて調べたところ、一同嚥下量の極端な増加と減少によって減じた。すなわち、一回嚥下量を9〜22mLの範囲で変化させても、嚥下の容易度には大きな変化がなかった。しかし、6mL以下ならびに24mL以上では、嚥下の容易度が統計的な有意差をもって減少した。これをグラフ化すると、嚥下の容易度は、15mLを中心とした「逆U字曲線」を描いた。これは、刺激強度と「快-不快尺度(hedonic scale)」との間に認められる一般的関係に該当する。嚥下の容易度については、(1)にあるような直線関係ではなく、逆U字型の曲線関係に則ると言える(日本摂食・嚥下リハビリ学会誌、審査中)。
(3)食品物性と嚥下-高齢者の嚥下補助食品として、食物繊維の豊富な「寒天」がもつ嚥下特性をその物性との関係から調べている。また、高齢者における咀嚼能力の向上を目指して、米菓のもつ可能性についても検討中である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 宮岡洋三: "口腔内食塊の重量/容量に関する感覚評価-水を用いた実験"日本官能評価学会誌. 5・1(印刷中). (2001)

  • [文献書誌] 宮岡洋三: "咀嚼時の口腔感覚の役割"日本咀嚼学会雑誌. 9・2. 95 (2000)

  • [文献書誌] 宮岡里美: "食塊量と嚥下困難度の関係について"日本摂食・嚥下リハビリ学会誌. 4・2. 147 (2000)

  • [文献書誌] 宮岡洋三: "食事の心理-健常成人を対象とした調査"日本摂食・嚥下リハビリ学会誌. 4・2. 154 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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