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1998 年度 実績報告書

味覚情報変換カスケード内の感覚の潜時を規定する機能分子の同定

研究課題

研究課題/領域番号 10671743
研究機関長崎大学

研究代表者

岡田 幸雄  長崎大学, 歯学部, 助教授 (60136687)

研究分担者 藤山 理恵  長崎大学, 歯学部, 助手 (10274664)
宮本 武典  長崎大学, 歯学部, 助手 (10167679)
キーワード味細胞 / サッカリン / GTP_γS / ホスホリパーゼC / パッチクランプ / ウシガエル / イオンチャネル / 情報伝達
研究概要

実験にはウシガエルを用いた。脊椎を破壊した動物から舌を摘出し多数の味覚円盤を切り出した。酵素処理により単離味細胞を得た。パッチクランプ法の全細胞記録法を用いて味細胞の膜電位を固定し、味刺激で誘発される膜電流を記録した。味細胞の膜電位を-50mVに保持しながら-100mVから+100mVの間のランプ電位変化に対して流れる膜電流を測定して電流-電圧(I-V)特性を求めた。両側の舌咽神経を切り出し、その内1本を双極の銀線上に置き流動パラフィンに侵し、神経インパルスを記録した。神経インパルス応答は増幅し、0.5Sの時定数で積分しペンレコーダに記録した。
舌を正常外液で順応後、正常外液に溶かしたサッカリンで刺激すると、舌咽神経は一過性のインパルス発生を示した。サッカリンの濃度に依存して味神経応答の大きさは増大した。神経応答のEC_<50>は0.4mMであった。3mMサッカリンと0.3mMキニーネに対する味神経応答の交叉順応実験を行った。両方の大きさは、正常外液順応後の応答の大きさとほぼ等しく相互に干渉しなかった。したがって、カエルには、甘味物質サッカリンと苦味物質キニーネを識別しているものと考えられる。
10mM Clを含む電極内液で膜を破り全細胞固定の状態にして13個のロッド型細胞を30mMサッカリンで刺激すると、-50mVの保持電位で内向き電流が発生し、カチオン電流であると考えられた。味細胞のサッカリンに対する電流応答はEC_<50>は、味細胞のそれとほぼ等しく約0.4mMであった。
カエル味細胞のロッド型細胞は、GTPγSまたはIP_3を細胞内に灌流すると同様な内向き電流が発生し、G蛋白の活性化→PLCの活性化→IP_3レベルの上昇→カチオン電流の発生といったカスケードが示唆される。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Okada,Y.et al.: "Inositol 1,4,5-trisphosphate activates nonselective cation conductance via intracellular Ca^<2+> increase in isolated frog taste cells." Eur.J.Neurosci.10. 1376-1382 (1998)

  • [文献書誌] Fujiyama,R.et al.: "intracellular free calcium concentration in human taste bud cells in response to taste stimuli." FEBS Lett.434. 47-50 (1998)

  • [文献書誌] Miyamoto,T.et al.: "Sour transduction involves activation of NPPB-sensitive conductance in mouse taste cells." J.Neurophysiol.80. 1852-1859 (1998)

  • [文献書誌] 岡田 幸雄,他: "カエル味細胞と味神経のサッカリンに対する応答." 日本味と匂学会誌. 5. 497-500 (1998)

  • [文献書誌] 宮本 武則,他: "マウス味細胞へのKC1刺激は内向き整流性電流を誘発する." 日本味と匂学会誌. 5. 489-492 (1998)

  • [文献書誌] Yoshida,N.et al.: "High extracellular Ca^<2+> and Ca^<2+>-sensing receptor agonists activate nonsesective cation conductance in freshly isolated rat osteoclasts." Bone. 22. 495-501 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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