研究課題/領域番号 |
10671744
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
西川 殷維 鹿児島大学, 歯学部, 教授 (10034191)
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研究分担者 |
大西 佳子 鹿児島大学, 歯学部, 助手 (60185973)
田中 康一 鹿児島大学, 歯学部, 助手 (30274848)
佐藤 友昭 鹿児島大学, 歯学部, 助手 (10284887)
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キーワード | アストロサイト / 過酸化水素 / 脳神経細胞障害 / カルシウム / DNA修復 |
研究概要 |
申請者らの研究課題でこれまでに得られた結果は、以下のとおりである。生後0日齢のラット培養アストロサイトとニューロンに過酸化水素を適用した場合のトリチウムで標識したチミジンとウリジンの細胞内(DNAとRNA)への取り込みについて検討した。過酸化水素の適用により、アストロサイトヘのチミジンの取り込みは促進したが、ウリジンの取り込みは促進しなかった。一方、ニューロンヘ適用した場合は、チミジン、ウリジンともに取り込み促進は認められず、むしろ抑制の傾向があった。この過酸化水素によるチミジンの取り込みは、外液のカルシウムを取り除いた場合およびカルシウムチャンンネル遮断薬であるベラパミルやニフェジピンを適用した場合は抑制された。また、神経細胞内小胞膜のCa^<2+>-ATPase阻害薬であるタプシガルギンや小胞膜に存在するリアノジン受容体を介して小胞よりカルシウムを遊離させるカフェインを適用した場合,このチミジンの取り込みは抑制された。更に、細胞膜透過性のカルシウムキレート薬であるBAPTA-AMは過酸化水素による取り込み促進を完全に抑制した。これらの結果から、アストロサイトは、ニューロンと異なり、過酸化水素で惹起される脳神経細胞のDNA修復は、細胞外より細胞内に移行するカルシウムや細胞内カルシウム貯蔵部位由来のカルシウムによる適当量の細胞内カルシウムが必須である可能性が示唆された。
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