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1999 年度 実績報告書

破骨細胞におけるNa^+/Ca^<2+>交換体(NCX)の役割及びNCX阻害薬の影響

研究課題

研究課題/領域番号 10671749
研究機関昭和大学

研究代表者

天野 均  昭和大学, 歯学部, 講師 (90212571)

研究分担者 鈴木 恵子  昭和大学, 歯学部, 講師 (50119187)
キーワードNa^+ / Ca^<2+>交換体 / 破骨細胞 / CSF-1 / 細胞内Ca^<2+> / PLCγ / KB-R7943 / 骨吸収 / 骨粗鬆症
研究概要

Na^+/Ca^<2+>交換体(NCX)は、NaイオンをCaイオンと交換輸送して細胞内Caイオン濃度を調節するとともに骨吸収との関与も指摘されている。今回この点を明らかにする目的で新規に開発されたCa^<2+>イオン流入モードのNCX1を選択的に阻害するNCX阻害薬KB-R7943を用い、破骨細胞に対する作用を検索した。KB-R7943はNa^+依存性の細胞内Caイオンの取り込み試験により破骨細胞においても、その効果を確認した。Colony-Stimulating Factor-1(CSF-1)刺激によりCSF-1受容体、PLCγのチロシンリン酸化とIP3産生亢進に伴い、破骨細胞の[Ca^<2+>]iは一過性に上昇した。この上昇は、Thapsigarginより阻害されたので細胞内ストアーからのCa^<2+>遊離による。またその後に誘導される周期的な[Ca^<2+>]i上昇も核及び膜に観察されたが、これはKB-R7943の添加あるいはBAPTA添加により完全に抑制されたことからCa^<2+>イオン流入モードのNCX1の活性化を介するものと推測された。破骨細胞形成誘導系に対するKB-R7943もしくはNCXlantisenseoligodeoxynucleotideは濃度依存的に破骨細胞形成、アクチンリング形成及びpit形成を有意に抑制した。特に細胞外からのCa^<2+>流入モードを阻害する濃度(10^<-6>M)では顕著であった。Western blot及び免疫抗体染色により破骨細胞及びその前駆細胞はNCX1を発現していた。以上のことから、CSF-1によるNCX1活性化機構が破骨細胞の分化調節に大きく関与することが推測された。また新規NCX1阻害薬KB-R7943が骨粗鬆症治療薬となり、今までその役割が全くわかっていなかったNCX1の流入モードが破骨細胞の形成から分化・骨吸収までに重要な役割がある可能性が示唆された。

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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