研究課題/領域番号 |
10671750
|
研究機関 | 東京歯科大学 |
研究代表者 |
木崎 治俊 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (60051653)
|
研究分担者 |
太田 一正 東京歯科大学, 歯学部, 助手 (30307376)
谷本 豊 東京歯科大学, 歯学部, 助手 (10276975)
|
キーワード | 細胞分化 / トポイソメラーゼ / アポトーシス / hnRNP Al / TIS |
研究概要 |
細胞は様々なシグナルに応答し、転写因子の制御をともなった分化、増殖、アポトーシスなどの反応を行う。転写調節には単に転写調節因子の量的、あるいは質的な制御だけでなく、DNAのトポロジーの制御が重要である。このトポロジーの制御はトポイソメラーゼよって行われる。トポイソメラーゼの阻害は未分化細胞に分化誘導したり、また、免疫系細胞、血球系腫瘍細胞、唾液腺癌細胞ではアポトーシスを引き起こし、その際にRNAのスプライシングに関与するhnRNP A1と機能未知の新規遺伝子TISの発現が減少する。 そこで、今年度はこの2つの遺伝子を中心に解析を行った。その結果、1.マウスでの組織分布はノザン解析の結果、両遺伝子産物とも心臓、脳、脾臓、肺、肝臓、筋、腎臓、精巣で確認された。また、TIS mRNAは精巣で2種確認された。2.胚発生においてTISは一様に発現しているが、hnRNP A1は胎齢11日目に一過性の上昇を示した。3.TIS遺伝子の構造決定をした結果、上流にトポイソメラーゼIの予想される結合領域が確認され、TIS mRNAの発現はトポイソメラーゼ1の阻害剤であるカンプトテシンにより強く抑制された。4.TISの予想されるアミノ酸配列には核移行シグナル様の配列があるが、COS細胞で強制発現させたところ細胞質内に存在した。5.未分化細胞株であるF9でのhnRNP A1とTISの強制発現はレチノイン酸やdibutyryl cAMPによる分化誘導には形態学的な変化はもたらさなかった。これらの遺伝子産物の細胞分化における分子レベルでの解析をおこなう(F9およびヒト唾液腺癌細胞)とともに、トポイソメラーゼの解析を進めることが次の課題と考えられた。
|