研究課題/領域番号 |
10671759
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研究機関 | 大阪歯科大学 |
研究代表者 |
大浦 清 大阪歯科大学, 歯学部, 教授 (20131378)
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研究分担者 |
東 泰孝 大阪歯科大学, 歯学部, 助手 (50298816)
篠原 光子 大阪歯科大学, 歯学部, 助教授 (40067187)
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キーワード | マクロファージ / ニューキノロン薬 / 遊走能 / 貧食能 / スーパーオキサイド産生能 / ラット |
研究概要 |
マクロファージや好中球は、感染初期の生体防御機構において重要な役割を演じることから、ニューキノロン薬のマクロファージ機能に対する影響について検討を行った。歯科領域に用いられるニューキノロン薬であるオフロキサシン、ロメフロキサシン、トスフロキサシン、,フレロキサシン、スパルフロキサシン、およびレボフロキサシン0.5μg/ml濃度では、オフロキサシンを除いて、マクロファージ遊走能を有意に低下させた。濃度を5および50μg/mlに増加させると、用いたすべてのニューキノロン薬においてさらなる遊走能の有意な低下が認められた。さらに、貧食能測定の場合は、用いたすべてのニューキノロン薬において50μg/ml濃度で有意な抑制が観察されたが、0.5および5μg/ml濃度ではいずれも貧食能に有意な変化は認められなかった。次に、スーパーオキサイド産生能を検討した結果、用いたすべてのニューキノロン薬において0.5μg/ml濃度でスーパーオキサイド産生能の有意な増加が認められた。また、トスフロキサシン5および50μg/mlでは、濃度依存的な産生能の増強を示した。さらに、トスフロキサシンでは、添加後少なくとも五時間後まで有意な産生能増強が観察されたのに対し、他のニューキノロン薬添加群では、三時間後の時点で産生能増強は消失していた。ニューキノロン薬の常在血中濃度は5μg/ml以下であることから、今回検討した六種類のニューキノロン薬は、臨床適用濃度でマクロファージ機能に影響を与えることが明らかとなった。
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