本実験の目的は高プロリン蛋白質P-Bの遺伝子を捕え、発現の制御機構、発現組織、系統樹上での発現位置などを把握することにより、遺伝子産物であるP-Bの生理機能を解明することである。 平成10年度はP-B遺伝子のクローニングを行った。 実験方法はLAPCR法 及び、in vitro cloning法に基ずく。テンプレートとして白血球より調製した私自身のゲノムDNAとクロンテック社より購入したヒトゲノムDNAを用いた。 LAPCR法に於けるプライマーは1994年に報告したP-BcDNAの塩基配列に基ずいて合成した。LAPCR増幅物中のP-B遺伝子由来ヌクレオチドの選択はP-BcDNAの塩基配列に基ずいて合成したプローブによるハイブリダイゼーションによって行なった。5'側と3'側の塩基配列に関しては、in vitro cloning法を適用し、ヒトゲノムDNAのEcoRl消化物、及び、BamHI消化物をそれぞれキット(宝酒造)のEcoRIカセット、及び、BamHIカセットに結合させ、カセットプライマーとP-BcDNAの5'側塩基配列に基ずくプライマー、又は、カセットプライマーとP-BcDNAの3'側塩基配列に基ずくプライマー間で増幅させ、増幅物からP-B遺伝子由来のものをP-BcDNAの塩基配列に基ずいて合成したプローブによるパイブリダイゼーションにより選択した。現在、増幅物をシーケンス反応に供すべくプラスミドに組み込んでいる過程である。
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