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1999 年度 実績報告書

口腔微生物刺激により歯肉線維芽細胞に発現される接着因子の生理的ならびに病因的役割

研究課題

研究課題/領域番号 10671762
研究機関北海道大学

研究代表者

柴田 健一郎  北海道大学, 歯学部, 助教授 (50145265)

研究分担者 長谷部 晃  北海道大学, 歯学部, 助手 (90281815)
渡邊 継男  北海道大学, 歯学部, 教授 (10064362)
キーワードMycoplasma salivarium / ICAM-1 / 歯肉線維芽細胞 / リポタンパク質
研究概要

Mycoplasma salivarium(Ms)細胞からTriton X-114 phase separation法で得たリポタンパク質(LPsal)が線維芽細胞(HGF)に対してICAM-1誘導活性を示した。その活性はproteinase K処理で影響を受けなかったが、lipoprotein lipase処理で完全に消失した。そこで、LPsalならびにproteinase Kで処理したLPsal(LPsal/pro-K)のmonocyte Western blot法によりICAM-1誘導活性を調べた。LPsalでは、数個のリポタンパク質に活性が見られたが、LPsal/pro-Kでは、分子量20キロダルトン(kDa)以上のリポタンパク質は全て消失していたが、活性はゲルの先端部分に検出された。このことから、活性物質は、活性を示したタンパク質に共通に存在し、しかもproteinase K抵抗性の物質であるものと推測された。Ms細胞膜からn-octyl-β-glucopyranoside抽出法で得たリポタンパク質では、44kDaのリポタンパク質(Lp44)のみがHGFに対して強いICAM-1誘導活性を示し、また本活性はlipoprotein lipase処理で消失した。Lp44のN末端アミノ酸配列はCGDPKHPKSFTEWVあり、N末端のCのアミノ基はフリーであった。原核生物のリポタンパク質はN末端のCにリピドが結合していることが知られている。そこで、Lp44の活性発現領域はN末端のCにリピドが結合しているリポペプチド部分ではないかと推測された。Lp44の活性発現領域の構造ならびに性状を明らかにするために、Lp44をproteinase Kで処理した後、HPLCによる逆相クロマトグラフィーで精製を試みた。その結果、活性物質は約80〜90%のイソプロパノールで溶出され、疎水性が非常に強いことがわかった。活性物質の構造を明らかにするために赤外吸収スペクトルを調べた。なお、標準物質として2,3-[bis(palmitoyloxy)-(2-RS)-propyl]-N-palmitoyl-(R)-cysteine(Pam3Cys)を用いた。赤外吸収スペクトルにより、活性物質はPam3Cysと同様に脂肪酸がエステル結合している物質であることが判明した。以上の結果から、HGFにICAM-1を誘導するM.salivariumの細胞膜に存在する物質の一つはLp44であり、その活性発現領域の構造はCGDPKHPKSFTEWVのCにリピドが結合したリポペプチドであることが示唆された。そこで、2,3-[bis(palmitoyloxy)-(2-RS)-propyl]-CGDPKHPKSFを化学合成し、HGFに対する強いICAM-1誘導活性を調べたところ、非常に強い活性を示した。現在、このリポペプチドの他の活性についても検討中である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 柴田健一郎 他8名: "Detection of Mycoplasma fermentans in saliva sampled from infants, preschool, and school children, adolescents and adults by a polymerase chain-based assay"Mycrobiology and Immunology. 43・6. 521-525 (1999)

  • [文献書誌] 董莉、他6名: "Transcriptional activation of mRNA of intercellular adhesion molecule land induction of its cell surface expression in normal gingivul-----and Mycoplasma fermentans"Infection and Immunity. 67・6. 3061-3065 (1999)

  • [文献書誌] 長谷部晃 他4名: "Partial purification and characterization of the active entity responsible for inducing interleukin-6 production by ------- Mycoplasma salivarium cells"Microbiology and Immunology. 43・11. 1003-1008 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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