根尖性歯周炎は病巣への白血球浸潤と根尖部周囲の歯槽骨吸収を伴う疾患であるが発症の詳しいメカニズムは明らかにされていない。今年度は、根尖性歯周炎の患者から試料を採取し作成した組織標本で、炎症の成立に関わる主要なメデイエーターと考えられているケモカイン並びにケモカインレセプターについて、 (1)ケモカイン(IP-10) (2)ケモカインレセプター(CXC-R3、CCR3、CCR5) に対する特異的な抗体による免疫組織化学法で、ヒト根尖病巣における炎症性細胞の局在を検索することができた。次年度は、ヒト根尖病巣組織の病理所見をふまえたうえで、実験的根尖性歯周炎ラットを用いて、炎症の成立に関わる因子を詳細に検索し、病巣の形成過程における各因子の関与と根尖性歯周炎の治療への応用について考察を加えていく予定である。
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