1年度目に、低浸透圧ストレスが、血管内皮細胞を活性化して、細胞表面に細胞接着因子p-セレクチンの発現を惹起すること、これに伴い、活性化内皮細胞と活性化単核球を共培養すると単核球が内皮細胞にp-セレクチンを介して粘着して、双方向にシグナルが伝達され、内皮も単核球も活性化されることを明らかにした。 本年度はそれらの成果の上に研究を展開して、以下の結果を得た。 1.p-セレクチンを介して活性化単核球が活性化内皮細胞に粘着して、双方の細胞ともにNF-κBが活性化される。 2.その結果内皮細胞ではNOを産生する。 3.おそらくこのNOの産生は、inducible NO synthaseの活性化によるものと考えられる。 4.このNOが遅発性の低血圧の原因である可能性があることが示唆された。
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