研究課題/領域番号 |
10671773
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
病態科学系歯学(含放射線系歯学)
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
佐藤 強志 鹿児島大学, 歯学部, 助教授 (90136888)
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研究分担者 |
野井倉 武憲 鹿児島大学, 歯学部, 教授 (40102561)
奥 猛志 鹿児島大学, 歯学部・附属病院, 講師 (50194486)
末永 重明 鹿児島大学, 歯学部・附属病院, 講師 (00136889)
丸山 征郎 鹿児島大学, 医学部, 教授 (20082282)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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キーワード | 顎関節症 / 関節疼痛 / 関節円板後部組織 / MR画像 / 血管新生 / エストロゲン / サイトカイン / Nitric Oxide |
研究概要 |
1.顎関節症における関節内の炎症性病態の分析 顎関節症患者42名の脂肪抑制MR造影画像における関節円板後部組織の造影効果と疼痛症状との関連性について分析した。疼痛の程度に関しては、MR画像検査前に問診をおこない、visual analog scale(VAS)を用い100mm scaleで評価した。また、MR画像所見で上関節腔にeffusionを認めた患者の関節液を採取し、グリース反応によりNO(nitric oxside)濃度の定量的分析をおこなった。 関節疼痛の程度と円板後部組織の造影効果との間には高い相関性(r=0.72)がみられ、さらにアスピリン(抗炎症鎮痛剤)で治療を施行した3患者では、造影効果の低下が認められた。NOは関節疼痛発現の原因物質として知られているが、NO濃度は疼痛の程度や円板後部組織の造影効果と強い相関性を示していた。MR画像による円板後部組織の高い造影効果は、血管拡張からの病巣部の血流増加あるいは血管新生によるものと考えられた。 2.滑膜細胞からのサイトカインおよびNO産生におけるエストロゲンの効果 リウマチ性関節炎の大腿関節部から摘出された滑膜組織(線維芽細胞)を用いて、炎症性サイトカイン、NO産生およびiNOS mRNA発現におけるエストロゲンの分子生物学的効果について検討した。 エストラジオール(10^<-5>M濃度)は、滑膜細胞からの培養液中のサイトカイン(GM-CSF)、Nitrite産生を有意に抑制した。IL-6、IL-8ではその効果は認められなかった。RT-PCR法によるiNOS mRNA発現の検索結果では、エストラジオールで処理した細胞は、Positive controlに比較してその発現がやや抑制されていた。 以上の研究から、エストロゲンは関節内炎症性病態に対して抑制効果を有することが示唆された。
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