研究課題/領域番号 |
10671784
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研究機関 | 大阪歯科大学 |
研究代表者 |
篠原 光子 大阪歯科大学, 歯学部, 助教授 (40067187)
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研究分担者 |
東 泰孝 大阪歯科大学, 歯学部, 助手 (50298816)
大浦 清 大阪歯科大学, 歯学部, 教授 (20131378)
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キーワード | 糖尿病 / 歯周疾患 / ストレプトゾトシン / インスリン / 白血球 / 遊走能 / 貧食能 |
研究概要 |
糖尿病患者は、インスリンの欠乏に基づいた、糖質、脂質、蛋白をも含んだ広範な代謝異常を示す疾患であり、大別してインスリン依存型糖尿病(IDDM)とインスリン非依存型糖尿病(NIDDM)がある。IDDMはインスリンを産生する膵臓のランゲルハンス島のβ細胞の80-90%が破壊され、インスリンの絶対的欠乏により発症する。糖尿病は、好中球や単球の機能障害、免疫担当細胞の機能低下、微小循環をはじめとする血行障害および神経障害などの原因により易感染性を示す。歯科領域では、糖尿病患者は歯周疾患が悪化しやすく、治癒しにくい事は臨床上経験することである。本研究は、自然発症歯肉炎ラット(ODUS/Odu)にストレプトゾトシン(以下STZと略す)を投与して糖尿病を発症させ(STZ群)、その後にインスリンを4週間連続投与して、血糖をコントロール(STZ-insulin群)することで、STZ群および対照群と比較して糖尿病におけるインスリン治療と歯周疾患との関係について検討を加えた。インスリンを連続投与することにより血糖がコントロールされることが証明され、体重についてもほぼ回復することを明らかにした。さらに、血糖コントロールにより歯垢の堆積が抑制され、歯周ポケットの値は、対照群に近づき、血漿中のトリグリセライト量は、対照群まで回復した結果を得た。ラット腹腔マクロファージの遊走能は、STZ群は対照群に比べて有意に抑制され、STZ-insulin群では回復する傾向が見られたが、STZ群との間に有意差は見られなかった。また、貪食能の実験においても、遊走能同様にSTZ群では、貪食率および貪食度ともに対照群に比較して低下しておりSTZ-insulin群において回復する傾向は見られたものの一度障害を受けた免疫機能は容易には元の状態迄は戻らないことが示唆された。
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