研究概要 |
これまで,光重合型コンポジットレジンの照射器は市販品を使用していた。しかしながら,照射器の波長領域がCQのラジカル発生機構にどのように影響を及ぼすかについて検討を行った報告は少ない。 そこで,本研究において市販光照射器とCQの吸光ピーク波長に一致したレーザーを使用し,重合挙動に及ぼす影響について重合率並びに熱分析により比較検討を行った。 その結果 1.照射時間の延長に伴い重合率は向上する。しかしながら,レーザー照射時間40秒では全波長領域を含む照射器の方が重合率は高かった。これは,照射口の直径の違いによるエネルギー量が関係していることが示唆された。 2.レーザー照射による重合体は,活性化エネルギーがCont.に比較し大きく,重合体内部は安定した架橋構造をしていることが明らかとなった。 3.重合体の熱分析により,両重合体共に分子量69,113の分子が切断されて気化あるいは分解を起こすことが明らかになった。
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