研究課題/領域番号 |
10671793
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
久保 至誠 長崎大学, 歯学部・附属病院, 講師 (80145268)
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研究分担者 |
陳 克恭 九州歯科大学, 歯学部, 助手 (20207327)
田島 清司 九州歯科大学, 歯学部, 講師 (60155075)
横田 広彰 長崎大学, 歯学部, 助手 (90301366)
渡邊 太平 長崎大学, 歯学部・附属病院, 助手 (10220899)
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キーワード | 楔状欠損 / 異常な咬合 / 辺縁漏洩 / 繰り返し荷重 / 応力分布 / 窩洞形態 / 有限要素法 / セルフエッチングプライマー |
研究概要 |
1. 牛歯の下顎前歯歯頸部に形成した浅い楔状欠損窩洞とU型窩洞を各種修復システムを用いて修復後、半数の試料にグラインディングを想定した加重、すなわち切縁が唇舌方向に約0.5mm変位するような荷重を繰り返し負荷し(1c.p.s.,10,000回)、異常な咬合が辺縁封鎖性に及ぼす影響を調べ、以下のような知見が得られた。浅い楔状欠損窩洞では、窩洞をセルフエッチングプライマーで処理するシステムにおいて、歯頂側エナメル質窩縁の封鎖性の劣化が認められた。これに対し、U型窩洞では接着システムにかかわらず歯肉側象牙質窩縁の辺縁封鎖性が劣化した。また、窩洞形態にかかわらず、窩洞をリン酸で一括処理するシステムでは、歯頂側の辺縁封鎖性は劣化しなかった。さらに、歯質接着性の向上により辺縁封鎖性が改善されることが示唆された。研究成果の一部をバンクーバーで3月に開催される第77回国際歯科研究学会(IADR)にて発表する。 2. 辺縁漏洩試験と同様の荷重条件下で修復物とその周囲に生じる歪みを科学研究費で購入したリモートスキャナを用いて測定した。その結果、通常では歯肉側に歯頂側より大きな歪みが生じ、主に歯肉側の辺縁封鎖性が劣化したU型窩洞の漏洩パターンは異常な咬合によって生じる応力分布が大きく関与していることが示唆された。今後、窩洞形態、接着状態、修復材料による相違など、より詳細な検討を加えていく予定である。 3. 比較的高性能のコンピューターを科学研究費で購入し、有限要素法による応力分布の数値解析モデルを現在作成中であるが、辺縁漏洩試験の成績およびストレンゲージを用いた歪み、応力分布測定の成績と対比し、信頼性の高いものにしたい。
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