研究課題/領域番号 |
10671793
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
久保 至誠 長崎大学, 歯学部・附属病院, 講師 (80145268)
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研究分担者 |
田島 清司 九州歯科大学, 歯学部, 講師 (60155075)
横田 広彰 長崎大学, 歯学部, 助手 (90301366)
川口 政廣 長崎大学, 歯学部, 助手 (40084248)
陳 克恭 九州歯科大学, 歯学部, 助手 (20207327)
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キーワード | 楔状欠損 / 異常な咬合 / 辺縁漏洩 / 有限要素法 / 応力分布 / 窩洞形態 / 繰り返し荷重 / セルフエッチングプライマー |
研究概要 |
1.牛歯の下顎前歯唇側歯頸部に形成した典型的な楔状欠損をシミュレートした窩洞(浅い楔型)の窩壁にストレインゲージを接着後、辺縁漏洩試験と同様の異常な咬合(グライディンク)を想定した加重、すなわち切縁が唇舌方向に約1mm変位するような荷重を負荷し、窩洞内に生じる歪みを測定した。その結果、歯肉側壁に歯頂側壁よりも大きな歪みが生じ、さらに引張り応力が発生することがることが明らかとなった。また、近接している歯肉側と歯頂側壁の応力はほぼ等しいので、窩壁における応力の法線成分は裔壁に平行な方向の歪みが大きい歯肉側より歪みの小さな歯頂側の方が大きいことも判明した(有限要素法で確認)。したがって、辺縁漏洩試験で得られた浅い楔状欠損窩洞の漏洩パターン、すなわち歯頂側エナメル質裔縁における辺縁封鎖性の著しい劣化には、異常な咬合によって生じる応力分布が大きく関与していることが推測された。現在、異なる窩洞(欠損)形態における、歪ならびに応力分布を調べている。さらに今後、修復材料の応力分布に及ぼす影響に検討を加えていきたい。 2.辺縁漏洩試験をシミュレートした二次元の有限要素法数値解析モデルを作成し、辺縁漏洩試験の成績およびストレインゲージを用いた歪み測定の成績と比較した。その結果、解析モデルは実験によって得られた成績と同様の傾向を示し、有限要素法による解析モデルは高い信頼性が得られることが確認された。現在、種々の解析モデルを作成し、良好な辺縁封鎖性が得られる窩洞形態、修復材料、修復法を検討している。今後、より高い精度が期待できる三次元モデルを用いた解析を計画している。 3.得られた成績をまとめ、秋期日本歯科保存学会(東京)において、研究成果を発表する予定である。
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