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1998 年度 実績報告書

齲蝕治療へのレーザー応用に関する検討

研究課題

研究課題/領域番号 10671800
研究機関東京歯科大学

研究代表者

瀧澤 雅一  東京歯科大学, 歯学部, 助手 (70297349)

研究分担者 平井 義人  東京歯科大学, 歯学部, 教授 (80119742)
石川 達也  東京歯科大学, 歯学部, 教授 (30085708)
キーワードEr:YAGレーザー / 窩洞形成 / 露髄 / 深在性齲蝕 / 歯髄 / 病理学的検討
研究概要

露髄が予測される深在性齲蝕におけるEr:YAGレーザーによる窩洞形成の安全性について検索する為,成犬歯牙にレーザーを用い露髄面を作成し,歯髄に及ぼす影響を病理組織学的に検討した.
・材料および方法
本実験に採用した被験歯は.生後1年以上経過した成犬から得られた60本である.これらの成犬に対し全身麻酔を施し,レーザー群と回転切削具を用いた対照群との比較検討を行った.レーザー群:Er:YAGレーザー装置ML-22((株)モリタ,HOYA(株))を用いて注水下にてBlackV級窩洞形成(100mJ/pulse,10pps)後,同条件にて窩底部を穿孔し露髄面を作成した.対照群:エアータービンにて初期窩洞を形成,スチールラウンドバーを用い露髄面を作成した.両群とも窩洞内を10%NaOClおよび3%H_2O_2にて洗浄,水洗,露髄面を止血乾燥後,水酸化カルシウム製剤を被覆応用した.その後,裏層,暫間修復を施した.術後7日(短期)および90日(長期)経過後,通法に従い連続切片を作製,H-E複染色を施し光学顕微鏡下に歯髄変化を観察した.
・成績および考察
短期例において,残存歯髄の血管拡張および出血などの循環障害はレーザー群で93%に,対照群では全症例に認められた.円形細胞浸潤はレーザー群で93%,対照群で79%に観察されたが,両群ともに化膿などの重篤な炎症性変化は認められなかった.長期例では各種病変の発現状況は両群とも同程度であり,歯髄に重篤な炎症性変化は観察されなかった.新生庇蓋硬組織の形成は両群とも全症例に観察され,ほとんどの症例で穿孔部の完全閉鎖を呈していた.
以上のことから,窩底象牙質厚径が極めて菲薄になり露髄もしくは仮性露髄が疑われる窩洞形成において,Er:YAGレーザーによる歯髄損傷は回転切削器具と同程度でり,偶発露髄に際し適切な処置を施すことによって歯髄組織の保存が可能であることが示唆された.

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 天谷 哲也: "Er:YAGレーザーによる窩洞形成時の偶発露髄に伴う歯髄変化-第1報 成犬歯牙における短期観察-" 日本歯科保存学雑誌 春季特別号. 41. 28-28 (1998)

  • [文献書誌] 天谷 哲也: "Er:YAGレーザーによる窩洞形成時の偶発露髄に伴う歯髄変化(第1報)ー成犬歯牙における短期観察ー" 歯科学報. 98・6. 602-603 (1998)

  • [文献書誌] 天谷 哲也: "Er:YAGレーザーによる窩洞形成時の偶発露髄に伴う歯髄変化-第2報 成犬歯牙における長期観察-" 歯科学報. 98・11. 1157-1158 (1998)

  • [文献書誌] 天谷 哲也: "Er:YAGレーザーによる窩洞形成時の偶発露髄に伴う歯髄変化-第2報 成犬歯牙における長期観察-" 日本歯科保存学雑誌 秋季特別号. 41. 71-71 (1998)

  • [文献書誌] 天谷 哲也: "Er:YAGレーザーによる窩洞形成時の偶発露髄に伴う歯髄変化" 第10回 日本レーザー歯学会総会・学術大会 プログラム・講演抄録集. 36-36 (1998)

  • [文献書誌] T,AMAGAI: "Exposed Pulp Response to the Application of Er:YAG Laser" Japanese Association for Dental 46th Annual Meeting Program and Abstracts of Papers. 101-101 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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