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1998 年度 実績報告書

歯科材料中のビスフェノールAの微量分析と溶出挙動

研究課題

研究課題/領域番号 10671821
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

門磨 義則  東京医科歯科大学, 医用器材研究所, 助教授 (00092403)

研究分担者 田中 光郎  東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (10143596)
キーワードビスフェノールA / 歯科材料 / 分析
研究概要

ビスフェノールAの分析における様々な要因について検討を加えた.とくに,微量分析の場合には,通常分析時には分析の妨げとならない因子についても考慮する必要があった.逆相系のクロマトグラフィーでビスフェノールAを定量するためには,移動相としてメタノールやアセトニトリルが有効であったが,分離能を増大させるためには水を加えて極性を高める必要があった.メタノール-水系では80:20,アセトニトリル-水系では60:40が最適であった.しかしながら,今回用いたHPLCシステムでは移動相中に水を加えると1μg以下のビスフェノールAは検出されなくなることが認められた.この原因は水中に存在する微量のアルカリ金属イオンがビスフェノールAと反応することにより溶出しなくなると考えられた.この不具合を回避するためには,移動相を酸性にしてビスフェノールAが解離するようにしなければならなかった.ビスフェノールA単独であればこの条件で微量分析が可能であったが,歯科用レジン中には酸による加水分解でビスフェノールAを生成する成分が含まれているために,各成分の加水分解安定性を明らかにしてから微量分析方法を確立する必要があり,現在,モデル物質なども併せて用いて加水分解反応を詳細に検討しているところである.
一方,ビスフェノールAを不純物として含有していることが懸念されてぃるBis-GMAモノマーの分析は上述の分析手法により定量分析が可能であることが明らかとなった.現在は,Bis-GMAモノマーとビスフェノールAを同時に定量分析できるように,選択透過性を有するフィルターによる前処理やビスフェノールAをシラン化して定量する方法についても多角的に検討を加えているところであり,微量分析方法が確立され次第,ビスフェノールAやBis-GMAモノマーの溶出挙動を解明する予定である.

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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