研究課題/領域番号 |
10671833
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
家入 美香 九州大学, 歯学部, 助手 (40175592)
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研究分担者 |
松尾 浩一 九州大学, 歯学部, 助手 (30229421)
沖本 公繪 九州大学, 歯学部, 助教授 (00037532)
石橋 邦子 九州大学, 歯学部, 助手 (50243952)
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キーワード | 味覚 / 唾液 / 咀嚼機能 |
研究概要 |
食に関わる唾液と味、補綴物による咀嚼機能の回復の関連について追求するため、60歳以上の有歯顎者(5名、平均68.3歳;Co群)および部分床義歯装着者(16名、平均68.1歳;PD群)を調査した。 1.唾液流出量:唾液量は安静時はPD群(平均1.58)、Co群(平均0.43)の高齢者は若年者(平均23.7歳の12名;Cy群,1.71)に比べ有意に少なく、この減少は義歯に関係なく加齢による影響と考えられる。ATP顆粒カプセルによる咀嚼能率測定ではPD群(1.67J)、Co群(1.70J)で差がなく、PD群は十分に咀嚼機能の改善されていると考えられた。咀嚼刺激時唾液流出量はPD群(平均5.37)ではCy群(平均6.37)と有意差なく、Co群(平均2.37)ではPD群Cy群より有意に少なかった。咀嚼機能の改善されている場合には十分な唾液流出がえられることが示唆された。今後Co群の調査人数を増やして比較検討をする必要がある。 2.口腔乾燥感:Co群では口腔乾燥感の有無と安静時、刺激時の唾液量は有意差がなかった。PD群では口腔乾燥を感じる者は感じない者より有意に刺激時唾液量が少なかった。また、PD群ではCo群より安静時、刺激時とも唾液量は多いにもかかわらず、口腔乾燥を感じる者が多く、義歯装着の影響が疑われた。 3.味覚閾値との関係:Co群ではPD群に比べ4基本味(甘、塩、酸、苦)の認知閾値は低く、PD群でCo群と同程度の認知閾値を示す者の唾液量はCo群の約2倍であった。 4.部分床義歯装着後2年間観察した3名の咀嚼スコアは6〜17%、咀嚼能率は0.38〜0.5J増加した。安静時唾液はやや減少したが、刺激時唾液は咀嚼能率や咀嚼スコアの増加に伴い、0.6〜3.5ml/5min増加した。
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