研究概要 |
Eugenol (EUG),そのオルトビスフェノール2量体Bis-Eugenol(Bis-EUG),4-hydroxy-2-tert-buty lanisole(BHA)その2量体(Bis-BHA),2-ter-butyl-4-methylphenol(BMP)、その2量体 (Bis-BMP)を用いて、azobisisobutyronitrileラジカル捕捉能力を検討した。メチルメタクリレートのDSC重合系より初期重合速度、誘導期間を算定する方法により行った。ラジカル捕捉能力は次の順であった。 Bis-BHA>Bis-EUG>BHA,EUG,Bis-BMP,BMP 重合禁止効力はBMP>BHA>Bis-BHA,Bis-EUG,Bis-BMP,EUGであった。BHA,BMPのようなオルト位・置換基が水素基で反体側オルト位が崇高なt-ブチル基を持つフェノール誘導体は、OH基の水素が引き抜かれ、キノイドになり、それ自身がラジカル化すると互いにカップリングして2量体化が起こったり、シアノイソプ口ピルラジカルと、相互反応したりする系が存在し、重合速度を減少させることが明らかになった。また細胞毒性においては、BMP,EUG,BHA,Bis-BMPが大きかった。EUG,BHAは2量体化により毒性が減少したが、BMPでは減少しなかった。これはEUG,BHAがラジカル化し易いことに関連すると考えられる。一方、BMPはラジカル化以外に疎水性が大きいことが細胞毒性に影響を与えていると考えられた。
|