研究概要 |
歯科インプラントはオッセオインテグレーションの概念の普及とともに臨床応用される頻度が増加している.その理由としては多くの報告にあるように,ばく大な量の基礎的・臨床的研究の裏付け,厳格なプロトコール遵守による高い成功率と予知性、補綴オプションの充実化等,多くの要因を挙げることができる.現在,インプラントに関しては多くの情報を,種々の学術・商業雑誌および教科書等から得ることが可能である.しかし,実際の臨床におけるインプラント治療の実態に関する報告は少ない. そこでインプラントの臨床応用の実態を調査する目的で,診査・診断から使用システム,外科術式,補綴,メンテナンスに至る一連のインプラント臨床の流れに関してアンケート調査を実施した.アンケートの対象は,日本口腔インプラント学会の会員の中から,実際にインプラント臨床を行っていると考えられた600名を調査対象とし,アンケート用紙を郵送し回答記入後返送してもらう郵送調査法にて実施した.その結果,合計307通の回答があり,回答率は51.2%であった. 今後,この調査結果をもとにいくつかの欠損形態を想定し,既製の顎歯模型を用い,マネキン上で術者の主観によってインプラントを埋入した場合と,診断用ワックスアップから製作したサージカルステントを用いてインプラントを埋入した場合の埋入位置・方向について計測を行い比較検討を行っていく予定である.
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