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1999 年度 実績報告書

歯肉熱刺激時の疼痛閾値および交感神経活動に及ぼすインフォームドコンセントの効果

研究課題

研究課題/領域番号 10671855
研究機関大阪歯科大学

研究代表者

井上 宏  大阪歯科大学, 歯学部, 教授 (30067053)

研究分担者 堂前 尚親  大阪歯科大学, 歯学部, 教授 (60115889)
キーワードインフォームドコンセント / ストレス / 疼痛閾値 / 連続血圧 / 指尖部血流
研究概要

歯科治療時のインフォームドコンセントの重要性を検討するために,実験1では基礎実験として歯肉および皮膚に熱刺激を与えた時の循環動態の変化を連続血圧を計測し分析,検討を行った.実験2では熱刺激により被験者に生じる不安や恐怖などの情動変化が疼痛の感受性に影響を与えることを予測し,実験的インフォームドコンセントにより実験内容ついて十分に説明を行うことが不安の軽減とともに疼痛の感受性に与える効果をSTAI,疼痛閾値および指尖部末梢血流量を指標として検討を行った結果,以下の知見を得た.
実験1
疼痛発現時は刺激開始時よりも平均血圧は高いが,血圧の上昇変化は疼痛発現時より刺激開始時前後に著明で,歯肉,皮膚刺激の1回目での変化が大きかった.すなわち,同じ刺激をくり返すと血圧の変化が少なくなることや,疼痛発現時より刺激開始時前後の血圧の変化が大きいことは,被験者の予期不安を反映したものと考えられた.
実験2
1.STAIによる不安の測定の結果,n-I.C.群では実験前に状態不安が平常安静時に比べ有意に上昇したことから,刺激を予期できずにこれから何をされるのか分からない不確実な状況におかれることで予期不安が高まることが示唆された.
2.疼痛閾値の測定の結果,n-I.C.禅の疼痛閾値のほうがI.C.群よりも有意に小さく,不安に伴い疼痛に対する感受性が強くなることが示唆された.
3.指尖部末梢血流量の変化において,n-I.C.群では一回目の刺激時の疼痛を伴わないプローブ接触時から血流量が著名に減少したことから,予期不安に伴い交感神経活動が亢進した結果によるものと思われた.
以上のように,インフォームドコンセントにより負荷する刺激の内容を十分説明することで,予期不安の軽減とそれに伴う疼痛閾値の上昇および情動変化による交感神経活動の抑制に有効であることが明らかとなった.

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 島谷 肇、井上 宏: "印象採得時のストレス負荷時に対するインフォームドコンセント"健康科学における歯科補綴学 -21世紀に目指すもの-. 270 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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