研究課題/領域番号 |
10671872
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
藤田 茂之 京都大学, 医学研究科, 講師 (50228996)
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研究分担者 |
安田 真也 京都大学, 医学研究科, 助手 (50263075)
村上 賢一郎 京都大学, 医学研究科, 助教授 (00174269)
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キーワード | VEGF / Immunchistochemistry / Temporomandibular Joint / Synovial membrane / Synovial cell / Prosta glandin E_2 / シクロオキシゲナーゼ-1 / シクロオキシゲナーゼ-2 |
研究概要 |
ドイツ連邦共和国Tubingen大学解剖学教室で、ヒト屍体顎関節の外側翼突筋の円板付着形式と顎関節円板の転位の関係を解析したが転位と付着様式には因果関係が検索できなかったものの、転位変形した関節円板内には、著しいケラタン硫酸やコンドロイチン硫酸の円板内前方への偏在を認め、顎関節関節滑膜が著しく肥厚している事実を確認した。著しい変形を伴った顎関節症の滑膜には糖蛋白の一つであるテネシンが大量に産生されて、重度に円板が変形変位した顎関節症例では細胞外基質を分解するコラーゲン分解酵素マトリックスメタロプロテアーゼ(MMPs)の分布と、テネシンの発現部位とが重複し、円板細胞外基質の分解と再構成が同時に起こっていることを報告した。また、顎関節症では患部疼痛を伴うので疼痛発現との関係を検索するためニューロペプタイドのサブスタンス-PやCOx-1の分布を検索し、肥厚した滑膜周辺の血管周囲に発現する事実を報告した。さらに顎関節症患者の滑膜細胞系を樹立し、癒着程度の異なった顎関節滑膜細胞をサイトカインのインターロイキン1β(IL-1β)1ng/mlにて刺激するとVascular endothelial growth factor(VEGF)やProstaglandinが滑膜細胞からオートクラインに高い濃度で産生されて、重度の痛みをともなう症例の顎関節円板内にはVEGFが対照の正常円板より多く存在することが免疫組織化学的にも判明した。さらには、ストレス蛋白のHSP-47が重度の変形をともなう顎関節円板前方内側の特定の部分に局在したが、HSC-70は常時圧力が加わる考えられる円板組織内に層状に分布することを免疫組織化学的に解明した。
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