研究概要 |
腺様嚢胞癌由来培養細胞(ACC-3)に対する各種抗癌剤5-Fluorouracil(5-Fu),Nedaplatin(Ned),Carboplatin(CBDCA)の細胞死について検討し、更にApoptosisについても検討した。腫瘍細胞はACC-3以外にもHSC-2,HSC-3,HSC-4,Ca9-22などの扁平上皮癌についても検討した。各細胞の増殖抑制効果はMTTアッセイにより、ApoptosisはTUNEL法にて行った。 腫瘍増殖抑制効果は5FuではCa9-22が最も高く、次いでACC-3,HSC-4と続いたがHSC-2やHSC-3ではみられなかった。NedではHSC-3が最も高く、次いでHSC-4,Ca9-22,HSC-2,ACC-3(55%)の順であった。CBDCAではHSC-2が最も高く、HSC-4,HSC-3,Ca9-22(60%)の順であった。TUNEL法によるApoptosis分析はApoptotic Indexで算定したが、5FUでは24時間後HSC-3 12%,HSC-2 10%,HSC-4 8%,ACC-3 2%で、Nedにおいては24時間後HSC-3 3%,HSC-4 9%,ACC-3 6%であった。CBDCAではACC-3は3%であった。 Apoptosis誘導機序は、p-53蛋白の発現をウエスタンプロット法により明らかにする予定であったが、5Fu,Ned,CBDCAはいずれも単独ではApoptosisの効果は少ない事が判明したため、p53蛋白に加えVEGFの発現を調べ遠隔転移との関連を検討した。その結果、p53の出現とVEGFの出現に関連がみられた。
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