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1999 年度 実績報告書

アパタイトセメントにおける組織親和性発現機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 10671879
研究機関岡山大学

研究代表者

岸本 晃治  岡山大学, 歯学部, 助手 (40243480)

研究分担者 上山 吉哉  岡山大学, 歯学部, 助教授 (00168668)
石川 邦夫  岡山大学, 歯学部, 助教授 (90202952)
キーワード従来型アパタイトセメント / 迅速硬化型アパタイトセメント / 非崩壊型アパタイトセメント / 生体親和性 / 異物反応 / 骨新生
研究概要

本年度の研究目的は,ラット脛骨に作製した骨欠損部に我々が開発した各種アパタイトセメント(従来型,迅速効果型,非崩壊型アパタイトセメント)を充填しそれらセメントが血液と接することによる影響を組織学的に検討し,セメントが優れた組織親和性を発現する条件を解明することである.
埋入2週目では,3種類のセメントとも骨欠損部内に充填されているのが確認できたが,従来型に関してはそのセメントの粒子が骨欠損面付近に散在していた.しかしどのセメントの周辺組織にも強い炎症反応は認められなかった.
埋入4週目では,従来型や迅速硬化型では充填されたセメントの一部をを取り囲むように新生骨の増殖が認められるが,骨欠損部表面には一部散らばったセメントを取り囲むように多くの異物巨細胞が認められ強い異物反応を示していた.
埋入8週目では,従来型において依然強い異物反応が残存していたが,骨断端や充填されたセメント内部からセメントを取り囲むように骨新生が認められた.一方,迅速硬化型や非崩壊型ではほとんど異物反応は消失していた.また従来型に認められたセメント内への骨の新生はなく,周りからセメントを取り囲むように新生骨ができていた.
これら結果より,各種セメントは生体に埋入しても炎症を強く惹起せず親和性に優れていると考えられた.特に小さな顆粒状として存在する場合でも炎症反応ではなく異物反応が認められた.これはアパタイトが起炎物質にはなりにくいという意見に一致していた.ただ従来型セメントは,血液に触れると硬化しない欠点があり,そのために充填後セメントは一塊にならずその隙間に骨が新生してきたと考えられる.このため逆にセメント内部から骨芽細胞によってセメントを取り囲むように骨への置換が起こりやすくなっているのかもしれない.しかし生体内での安定性からいえば,血液に接触しても崩壊せず,硬化時間の早いセメントの方がよいと考えられる.

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Y Ueyama, K Ishikawa, T Mano, T Koyama et al.: "Dose apatite cement really replace with bone ?"International Journal of Oral & Maxillofacial Surgery. 28, Sup1. 106-106 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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