研究課題/領域番号 |
10671883
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
中條 信義 徳島大学, 工学部, 教授 (80069046)
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研究分担者 |
江口 覚 徳島大学, 歯学部付属病院, 助手 (20263866)
富岡 重正 徳島大学, 歯学部付属病院, 助教授 (70188770)
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キーワード | 電気刺激 / 三叉神経 / 迷走神経 / 循環反射 / 脳血流量 |
研究概要 |
研究に先立ち実験条件を検討した。呼吸条件は循環反射や脳機能に大きな影響を与えるので呼吸条件を求めた。その結果、呼吸条件として一回換気量12ml/Kg、呼吸回数70回/分、さらに呼気終末に3cmH_2Oの陽圧を加えることで動脈血中炭酸ガス分圧を40mmHgの生理的条件に保つことができた。 また麻酔薬の影響を見るために口腔領域の血流量(舌、咬筋、唾液腺など)と脳血流量を蛍光マイクロスフェア(直径10μm)を用いて測定した。脳血流量は皮質、皮質下、脳幹にわけて測定した。その結果ウレタン麻酔と笑気麻酔は脳幹の血流量を増加した。皮質の血流量は笑気麻酔で増加しウレタン麻酔では変化を認めなかった。さらに皮質下の血流量はウレタン麻酔、笑気麻酔ともに対照群と差を認めなかった。また口腔領域の血流量も笑気麻酔では増加し、ウレタン麻酔では変化を認めなかった。経時的な変化ではいずれの麻酔を使用しても血流量に変化を認めなかった。 また下顎切歯部にアルミホイルを介して10ボルトから50ボルトの電気刺激を加えて脈拍数と血圧の変動を観察した。その結果、刺激強度に比例して血圧上昇が観察された。また刺激頻度を低頻度(10ヘルツ)と高頻度(50ヘルツ)に分けて検討した結果、低頻度刺激では血圧は低下傾向を示し、高頻度刺激では血圧上昇傾向を示した。 なお三叉神経からの侵害刺激が脊髄尾側亜核から傍小脳脚核への求心性回路を組織化学的に明らかにする研究は現在進行中である。今年度は脳定位固定装置にて脳幹内のそれぞれの核を決定する基礎実験に多くの時間を費やした。
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