研究概要 |
1, 口唇裂・口蓋裂の最近の動向を知る目的で、過去5年間の初診、口唇裂・口蓋裂92症例の1)性別、2)手術時年齢、3)出身地、4)合併奇形、5)出生順位、6)家系発現率及び同胞発現率、7)裂型分類:(両側/片側唇顎口蓋裂、硬軟口蓋裂、軟口蓋裂、粘膜下口蓋裂に分類)、8)初回手術件数の年次推移を調査分類した。 結果:1)性別 男:女=47:35 2)手術時年齢:平均1歳7か月(成人未処置症例と粘膜下口蓋裂症例は除く)、3)出身地:神奈川県内と東京都、4)合併奇形:26例(92例中)28%5)出生順位:第1子-32例、第2子-36例、第3子-9例、第4子-1例、不明-14例、6)家系発現率:父母-5例、血縁者:2例(7/92、7.6%)、同胞出現率:5例(5/92、5.4%)、合計12例(13.0%)、7)唇顎口蓋裂:37例、硬軟口蓋裂:23例、軟口蓋裂:19例、粘膜下口蓋裂:13例、8)初回手術件数:年平均-18.4例。 2, この調査結果に文献的考察を加え、まず口唇裂・口蓋裂患者の1)遺伝的要因の薄いグールプ、2)遺伝的要因が強く示唆されるグループ、3)合併奇形を持つグループ(症候群、非症候群)に分類した。 結果:1)遺伝的要因の薄いグールプ-66例、2)遺伝的要因が強く示唆されるグループ-12例、3)合併奇形を持つグループ-26例(症候詳-11例、非症候詳-15例)、2)3)の重複-4例 3, 既知関連遺伝子についてalleleと遺伝子多型の検査に関しては、文献的検索の結果、日本人口唇裂・口蓋裂患蓄のHLA-B、-DP、-DRの遺伝子多型を塩基配列レベルで解析し、日本人健常者の遺伝子頻度と比鮫することにより、いくつかの対立遺伝子について有意な結果を得たとの報告から(口科誌:47、657、1998)、今後、当科でも、患者より提供された保存リンパ球で、上記の2-1)、2)グループのHLA領域での、alleleと遺伝子多型の検査する。
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