研究課題/領域番号 |
10671903
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
山崎 安晴 北里大学, 医学部, 講師 (00210401)
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研究分担者 |
天笠 光雄 東京医科歯科大学, 歯学部, 教授 (00014332)
大井田 新一郎 鶴見大学, 歯学部, 助教授 (10114745)
中北 信昭 北里大学, 医学部, 助教授 (40180260)
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キーワード | 唇顎口蓋裂 / 多因子遺伝疾患 / 合併奇形 / 家系関連 |
研究概要 |
1.口唇裂・口蓋裂の実態を把握する目的で、過去25年間の初診、口唇裂・口蓋裂467症例の1)性別、2)手術時年齢、3)出身地、4)合併奇形、5)出生順位、6)家系発現率及び同胞発現率、7)裂型分類:(両側/片側唇顎口蓋裂、硬軟口蓋裂、軟口蓋裂、粘膜下口蓋裂に分類)、8)初回手術件数の年次推移を調査分類した。 結果:1)性別 男:女=249:217 2)手術時年齢:平均1歳7か月(成人未処理症例と粘膜下口蓋裂症例は除く)、3)出身地:神奈川県78.4%、4)合併奇形:92例(19.7%) 5)出生順位:第1子-191例(40.9%)、第2子-203例(43.5%)、第3子-67例(14.3%)、第4子-5例(1.1%)、6)家系発現率:16.6%7)唇顎口蓋裂:254例(54.4%)、硬軟口蓋裂:73例(15.6%)、軟口蓋裂:93例(19.9%)、粘膜下口蓋裂:10例(10.1%)、8)初回手術件数:年平均-20例。 2.口唇裂・口蓋裂患者の合併異常の裂型別発生率と家系発生率を調査した。合併異常の全体発生率では467例中94例(20.1%)、裂型別発生率は唇顎口蓋裂29/251(11.6%)、硬軟口蓋裂28/55(50.9%)、軟口蓋裂24/92(26.1%)、粘膜下口蓋裂9/48(18.8%))であり、口蓋裂単独群61/195(31.3%)の結果は前回報告した最近5年間と同様、口蓋裂単独群に高い合併異常率を見た。家系出現率では218家系中36家系16.5%であった。 3.既知関連遺伝子に関しては、日本人口唇裂・口蓋裂患者のHLA-B、-DP、-DRの遺伝子多型を塩基配列レベルで解析し、日本人健常者の遺伝子頻度と比較することにより、いくつかの対立遺伝子について有意な結果を得たとの報告から(口科誌:47、657、1998)、当科でも、患者より提供された保存リンパ球で、HLA領域での、alleleと遺伝子多型の検索をしたが、検体総数と検体分類相違から同誌の報告を支持する明らかな結果は得られなかった。
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