研究概要 |
口腔乾燥症およびシェーグレン症候群患者の口腔粘膜における組織透過性など唾液の動態やバリア機能に付いて検索を行った。 新たに開発した高感度のフルオロフォトメーターを使用して、下唇粘膜正中部の背景蛍光を測定した後、フルオレセインナトリウム溶液を非接触下に滴下、1分後に洗口し、その後1,3,5分後と経時的に蛍光測定を行った。測定値は蛍光を10回測定して平均値を求め、背景蛍光量を差し引いた値をフルオレセイン濃度に換算した。 口唇粘膜に適用するフルオレセイン溶液の至適条件として、非刺激性、蛍光濃度から0.005%、1μ1が設定された。 口腔乾燥症患者(X群),シェーグレン症候群患者(SS群)、健常者(N群)間の背景蛍光値に余り差異はを認めなかった。1分後値はX群39.9、SS群40.9、N群92.9ng/mlと健常者が高く、角膜の場合を異なり口腔乾燥症、シェーグレン症候群は低値を示し、口腔上皮の透過性は亢進して、バリア機能の低下が示唆された。 しかし、1分後値に対する3分後、5分後の減弱度はX群は0.45、0.57、SS群で1.07・0.99、N群では0.78・0.44とシェーグレン症候群で明らかに減弱度の低下を認め、小唾液腺からの唾液分泌量の関与が示唆された。
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