研究概要 |
最近5年間の口腔癌症例について,臨床的にはT分類と,病理組織学的には生検時標本の組織学的悪性度と頸部リンパ節転移および遠隔臓器転移との関連について検討し,T分類と頸部リンパ節転移,遠隔臓器転移との間に明確な関連は認めなかったが,Anneroth分類による組織学的悪性度と頸部リンパ節転移,遠隔臓器転移との間に有意な関係を認め,初回生検時標本の組織学的悪性度分類が遠隔臓器転移を予測するうえで有用であることをそれぞれ,平成10年4月の第52回日本口腔科学会総会(愛媛県松山市),平成10年10月の第43回日本口腔外科学会総会(長野県松本市)および平成11年3月の77thgeneral sEssion of IADR,International Association for Dental Research(Canada,Vancouver City)において報告した.また,現在,この症例について,血管新生を調べる目的で,抗CD31モノクーロナル抗体を用いた免疫組織化学染色を施行し,血管内皮細胞を検出中であり,その結果については,平成11年の第44回日本口腔外科学会総会において報告する予定である. 患者血清については,当初より保管していた検体にさらに最近の口腔癌症例の検体を加えた.この血清中の血管新生抑制性蛋白濃度測定については,Harvard大学と現在,打ち合わせ中であるが,さらに,検体数を加えたうえで測定したいと考えている.
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