研究課題/領域番号 |
10671914
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研究機関 | 愛知学院大学 |
研究代表者 |
小木 信美 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (90211127)
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研究分担者 |
栗田 賢一 愛知学院大学, 歯学部, 教授 (40133483)
河合 幹 愛知学院大学, 歯学部, 名誉教授 (50064788)
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キーワード | 顎関節 / 関節円板穿孔 / リモデリング / 滑液 |
研究概要 |
動物実験の第1群、即ち、顎関節の関節円板の外側2分の1の切除した群、また、第2群、即ち、関節円板の外側2分の1を短冊状に切除し欠損を作製した群について、術後2週、4週、12週、24週が経過した顎関節の病理組織標本を作製し、観察検討した。 病理組織標本の作製:顎関節の標本は左右別々で一塊として中世緩衝ホルモリンで固定した後、EDTAと塩酸による脱灰液に侵漬した。 脱灰が終了した標本を下顎頭の外側極と内側極を通過するほぼ前額断面に等しい面で顎関節を前後に2分割した。 更に観察には余分な周囲の脂肪組織などを標本から除去し、プレパラートの大きさに合わせた。 通法に従ってパラフィンに包埋した後、標本を分割面に沿ってミクロトームで薄切し、組織切片をヘマトキシリン・エオジンで染色した。 病理組織標本の観察:いずれの群においても関節滑走面に変形性関節症を思わせるような軟骨の消失や骨のびらんなどの退行性の変化は認められなかったが、第1群、第2群ともに術後からの週が経過すると、関節円板を切除した部分に相当する関節滑走面の軟骨と軟骨下の骨の増殖があり、関節円板の欠損を補うように滑走面が盛り上がって認められた。 即ち、第1群では関節円板外側2分の1が切除されていることから滑走面が台形状に盛り上がり、第2群では関節円板が短冊状の欠損となっていることから滑走面が波を打つような形で短冊状の欠損に沿って盛り上がっていた。 これらの増殖は骨棘形成のような退行性の変化ではなく、軟骨、骨がそれぞれ厚みを増すようなリモデリングであった。 また、これら増殖性変化が認められた下顎頭滑走面の内部にも骨髄の線維化や嚢胞の形成など変形性関節症の所見は全く認められなかった。
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