研究課題/領域番号 |
10671914
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
外科系歯学
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研究機関 | 愛知学院大学 |
研究代表者 |
小木 信美 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (90211127)
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研究分担者 |
栗田 賢一 愛知学院大学, 歯学部, 教授 (40133483)
河合 幹 愛知学院大学, 歯学部, 名誉教授 (50064788)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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キーワード | 顎関節 / 関節円板穿孔 / リモデリング / 滑液 |
研究概要 |
近年、顎関節症の滑液の生化学的分析が脚光を浴び様々な報告がおこなわれている。しかしながら、臨床所見やレントゲン所見との対比で分析結果の検討がなされているために、実際に顎関節内部で生じた変化を直接反映した検討とは必ずしもいえない。そこで、顎関節の構成体の中でも重要な関節円板に着目し、実験的に顎関節円板の穿孔を起こし顎関節に病的状態を創りだすことで経時的に生じる変化を病理組織学的に観察するとともに、滑液を生化学的に分析し対比した。 関節円板の穿孔は2種類で、関節円板の外側2分の1を切除したものと、関節円板の外側に短冊状の欠損を3本作ったものとし、処置前の滑液を採取した後、両側の顎関節に穿孔作製後、2週、4週、12週、24週で滑液を採取し、過量の麻酔薬により動物を屠殺した。滑液についてコンドロイチン硫酸の量を高速液体クロマトグラフィー法で測定した。顎関節を一塊として摘出し、病理組織切片を作り、ヘマトキシリン・エオジン染色を施した。 いずれの関節円板穿孔でも病理組織学的に変形性顎関節症の変化は認められず、主として関節円板穿孔に対応した部分で下顎頭の滑走面軟骨の増殖性変化が観察された。これに対し滑液のコンドロイチン6硫酸とコンドロイチン4硫酸が処置後4週まで徐々に増加したが、処置前の値とは有意な差を認めなかった。 関節円板の穿孔は下顎頭の軟骨に増殖性のリモデリングを引き起こすものの、退行性の変化を生じさせるものではなく、滑液の変化もコンドロイチン硫酸の軽度な増加に留まった。
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