I. 平成9年よりF344ラットにおいて4NQO誘発舌扁平上皮癌からの細胞株を作成を試みてみているが、現在までに舌癌細胞株(RSC3)が樹立された.本年度はさらにこの細胞株からリンパ節転移能を有する細胞株の樹立を試みている.これは高頻度にリンパ節転移がみられる転移モデルを作成し、このモデルによりレーザー照射の影響をリンパ節転移から捉えることを目的としている.KSNヌードマウスを用い、継代培養を行っているが血行性転移またリンパ行性転移かは不明であるが、結果的にはリンパ節転移みられる細胞株の樹立が得られるものと考えている.同時にこの転移が血行性転移またリンパ行性転移かを検討中である. またWister系ラットを用い、4NQO誘発舌扁平上皮癌、白板症モデルの樹立を現在行っている.この系では頸部リンパ節での転移のメカニズムの検討のためのモデル作成を目的としている. II.レーザーを含む手術操作が癌の転移に及ぼす影響を検討するための実験モデルの作成を行っている.Hyg耐性遺伝子導入マウスLewis肺癌転移性細胞株をBALB/cマウスに移植している.HYGを指標としPCR法にて処置前後の血中癌細胞数、肺転移結節数、肺重量の測定を行う予定である.
|