研究概要 |
本研究の目的は,側面頭部X線規格写真(以下,セファロ)上に撮影されている頚椎の画像から,パターンマッチングの手法を用いて客観的に頚椎の生理的年齢である“頚椎年齢"を求め,成熟度指標として用いられている手部X線写真などの新たな被曝なしに顎骨の成熟度を評価し,下顎骨の残余成長量を求める手法を確立することである.そこで本年度は,データベース資料として本学附属病院矯正科に所蔵する資料の中から,男女それぞれの成長期にある患者のセファロ,手部X線写真を収集し,各セファロから頚椎の画像を透過光対応イメージスキャナーを用いてコンピュータに入力し,パターンマッチングによって選び出すための頚椎画像データベースの作成を行った.また,この頚椎画像データベース資料とは別に,自動的に頚椎を抽出して解析するアルゴリズムの基礎的検討資料として,成長終了後の資料も存在している患者のセファロの縦断資料を本学附属病院矯正科に所蔵する資料の中から選択し,セファロ全体の画像をコンピュータに入力を行った.この資料には,下顎前突症を含む各種の顔面パターンを示す患者を含んでいる.これらの資料をもとに,セファロ全体から頚椎を自動抽出する際の領域の抽出および位置や傾きの補正方法,パターンマッチングを行うための前処理である画像処理として,画像の圧縮,階調変換,背景の除去の方法などについて検討を開始した. 今後,頚椎の画像データベースを完成させ,画像処理方法を確立させることにより次段階へ進める予定である.
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