研究課題/領域番号 |
10671927
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
矯正・小児・社会系歯学
|
研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
本橋 信義 東京医科歯科大学, 歯学部, 講師 (10134735)
|
研究分担者 |
馬場 祥行 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (70251535)
鈴木 聖一 東京医科歯科大学, 歯学部, 講師 (90187732)
|
研究期間 (年度) |
1998 – 1999
|
キーワード | rhBMP-2 / 新生骨 / 歯の移動 / 歯の萌出 / ビーグル犬 |
研究概要 |
口唇口蓋裂患者の顎裂部骨欠損に対する人工的移植物質としてのrhBMP-2の有効性の検討を目的として、ビーグル犬に形成した歯槽部骨欠損に濃度の異なるrhBMP-2を移植し、誘導された新生歯槽骨への1.歯の移動実験と2.歯の萌出実験を行った。 1.歯の移動実験 : ビーグル成犬に骨欠損を形成し、移値したrhBMPによって誘導される新生骨の性状と歯の移動に伴う新生骨のリモデリングを組織学的に観察し、次の結果を得た。 (1)10μg/100μlおよび40μg/100μlのrhBMP-2共に骨欠損部に新生骨を誘導した。しかし、10μg/100μl rhBMP-2が誘導する新生骨の歯槽骨へのリモデリングは40μg/100μl rhBMP-2より時間的に早かった。 (2)rhBMP-2の濃度の低下により新生骨への円滑な歯の移動が可能であった。 2.歯の萌出実験 : ビーグル幼犬に骨欠損を形成し、移値したrhBMP-2によって誘導される新生骨への永久歯の萌出様相をレントゲン写真を用いて経時的に観察すると共に、組織学的手法を用いて観察し、次の結果を得た。 (1)10μg/100μl rhBMP-2の移植により誘導された新生骨では、歯は移植部位を避けるように近心から萌出した。 (2)5μg/100μl rhBMP-2の移植により誘導された新生骨における歯の萌出様相は正常な条件下での萌出と差異を認めなかった。 以上の動物実験結果より、実験的骨欠損部位に移植したrhBMP-2は新生骨を誘導し、新生骨への永久歯の移動と萌出が可能であることが示された。さらに、rhBMP-2により誘導される新生骨の物理的性状ならびに新生骨中への歯の移動と萌出はrhBMP-2の濃度が深く関与していることが明らかにされた。これらの基礎的研究から、顎裂に対する二次的骨移植の人工的移植物質としてのrhBMP-2の臨床応用の可能性が示唆された。
|