研究課題/領域番号 |
10671937
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
三木 善樹 徳島大学, 歯学部, 助手 (50294707)
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研究分担者 |
上岡 寛 岡山大学, 歯学部・附属病院, 講師 (80253219)
日浦 賢治 徳島大学, 歯学部・附属病院, 講師 (20228696)
森山 啓司 徳島大学, 歯学部, 教授 (20262206)
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キーワード | 骨細胞 / 分化 / カルシウム感受性レセプター / RT-PCR法 / in situハイブリダイゼーション法 / 小胞体 / 細胞内情報伝達システム / カルシウムセンサー |
研究概要 |
【骨細胞におけるカルシウム感受性レセプターの発現】 生後1〜2日齢SDラット頭蓋冠より6分画で単離した細胞のカルシウム感受性レセプター遺伝子の発現をRT-PCR法とin situハイブリダイゼーション法を用いて行った。 結果:単離された分画I(線維芽細胞)、分画III(骨芽細胞)の細胞にはカルシウム感受性レセプター遺伝子の発現は認められなかったが、分画VI(骨細胞)の細胞にはカルシウム感受性レセプター遺伝子の発現が認められた。 【骨細胞における細胞内情報伝達システムの解明】 カルシウム感受性レセプターによる細胞内情報伝達システムについて検討を加えた。 結果:細胞内カルシウム貯蔵庫(小胞体)からのカルシウム放出阻害剤であるTMB-8、Ca-ATPase阻害剤であるタプシガルギンをそれぞれ前処置した後に細胞外に高濃度のカルシウムを添加しても応答しなかった。また、フォスフォリパーゼC阻害剤であるU-73122を前処置しても同様の結果であった。 以上のことから、骨芽細胞から骨細胞へと分化するにつれて細胞膜上にカルシウム感受性レセプターが発現し、骨細胞は、破骨細胞による骨吸収によって高濃度の細胞外カルシウムが存在する環境下でカルシウム感受性レセプターを介して応答するというカルシウムセンサーとしての役割があることが明らかになった。さらにその応答は、レセプター共役型G-蛋白質がフォスフォリパーゼCを活性化し、それによってできたイノシトール3リン酸が小胞体からのカルシウムを放出させる機能により行われていることが示唆された。
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