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1998 年度 実績報告書

下顎運動の3次元生体力学シミュレーションモデルを用いた小児期咀嚼機能の解析

研究課題

研究課題/領域番号 10671938
研究機関九州大学

研究代表者

山崎 要一  九州大学, 歯学部, 講師 (30200645)

キーワード下顎運動 / 咀嚼機能 / 小児期 / 運動シミュレーション / 咬合異常 / 正常咬合
研究概要

コンピューターシミュレーションを応用して、小児の下顎運動の3次元生体力学シミュレーションモデルを構築し、実際の下顎運動に近い形の運動再現を行うためには、小児の基本的な下顎運動や咀嚼運動の特徴を正確に捉え、再現可能な要素を抽出する必要がある。本年度は、機器の購入と他の計測器との接続などの整備を行いながら、咀嚼運動の大きさや速さに関するいくつかの解析プログラムを作成した。さらに運動再現に必要な要素を検索するため、下顎の基本的な運動として合計25名の側方滑走運動を解析した。その結果、平衡側顆頭点においては、乳歯列期の小児は成人と比べ前方よりで垂直的移動量の少ない運動をしており、混合歯列期は両者の中間的な移動パターンを取っていた。作業側顆頭点では、乳歯列期小児は他の群より前後的な移動量が大きく、下顎全体がやや前方よりで水平的な動きを示していた。また、咬合異常児の特徴を示す基礎データを収集するために、乳歯列反対咬合症例の咬合誘導前の下顎運動と、アングルのII級2類不正咬合症例の咬合改善に伴う下顎運動の機能的改善過程の分析を試みた。乳歯列反対咬合児3名を正常乳歯列児10名と比較したところ、前方滑走運動では切歯点と顆頭点の移動距離は共に少なく、正常咬合児では切歯点、顆頭点とも前下方に移動していたのに対し、反対咬合児では顆頭点は前下方であったが、切歯点は上方への移動が認められ下顎の回転方向に相違が見られた。アングルのII級2類不正咬合症例において、治療前、切歯歯軸の改善時、過蓋咬合の改善時を比較したところでは、開閉口路や咀嚼経路は下顎が上顎に近付くほど、大きな影響が及んでいることが分った。以上のような点を踏まえながら、さらに小児下顎運動のシミュレーションモデル構築に必要な基礎データの収集を行っている。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 中田稔,山崎要一 他: "6自由度顎運動測定器の臨床への展開" 日本補綴歯科学会雑誌. 42. 921-927 (1998)

  • [文献書誌] 山崎要一,早崎治明 他: "顎機能異常を有する小児の顆頭運動について" 咬合誘導研究会会誌. 2(1). 28-29 (1998)

  • [文献書誌] Hayasaki,H., Yamasaki,Y., et al: "Characteristics of protrusive and lateral excursions of the mandible in children with the primary dentition" J. of Oral Rehabilitation. 25. 311-320 (1998)

  • [文献書誌] 山崎要一, 中田稔: "乳幼児歯科診療の実際,(編著者 木村光孝 他2名)" クインテッセンス出版(東京) 第5章 乳幼児の歯科診療 s-n 不正咬合に対する処置 s-n 咬合誘導上考慮しておくべきこと, 193,(150-158) (1998)

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公開日: 1999-12-13   更新日: 2016-04-21  

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