研究概要 |
長崎市内の中・高校生(中学生1144名,高校生:2132名)を対象に実施した顎関節症の7つの自覚症状((1)顎関節雑音(2)顎のこわばり(3)開口障害(4)開口時疼痛(5)下顎偏位時疼痛(6)顎関節・筋の疼痛(7)顎のロッキング,はずれ)ならびに習癖等(爪噛み,唇頬舌を噛む癖,くいしばり,頬杖,顎を動かして遊ぶ癖,うつ伏せ寝,噛む能力,偏側咀嚼,飲み込みの問題,鼻詰まり,管楽器演奏)に関するアンケートから,各自覚症状の有無を目的変数に,性別,習癖などの18項目を説明変数として多重ロジスティック分析を用いて,自覚症状に関わる要因分析をおこなった。分析は中学生と高校生に分けて行った。結果:以下について有意な関連が認められた。1)「顎を動かして遊ぶ」という習癖と症状(7)以外の全ての症状。2)「噛む能力がない。」という自己診断と中学生の症状(1)(2)(3)(5),高校生の症状(1)(2)(3)(4)(6)。3)「くいしばり」と中学生の症状(1)(2)(4)(5)。4)「頬杖」と中学生の症状(1)。5)「うつ伏せ寝」と中学性の症状(6),高校生の症状(1)(7)。6)「飲み込みに問題あり」と中学生の症状(2)と高校生の症状(4)(5)。7)「鼻詰まりがいつもある」と高校生の症状(1)(5)。「管楽器演奏」と中学生の症状(4)。中学生の症状(3)(5)ならびに高校生の症状(3)(4)(6)は女性に有意に多かった。中学生の症状(4)(5)(6)ならびに高校生の症状(2)(4)(5)(6)(7)は,各学年の最大開口量の平均値から1.96SD以上離れて開口量が小さいことと有意な関連が認められた。「爪噛み」はどの自覚症状とも有意な関連は認められなかった。
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