研究概要 |
本研究では顎運動機能の発達と歯列弓形態の発育との関連を明らかにすることを目的とし,幼稚園から大学生までのヒトを対象に,咬合模型の三次元的形状の解析と,咀嚼時の顎運動パターンおよび筋活動を調べることとした. 幼稚園児,小学5年生,中学2年生,高校2年生,大学生,各50名について,顔貌と口腔内の診査,および顎機能診査を行った.各50名の中からSkeletal I級の正常咬合者で顎機能異常のない者(正常群)各5名と明らかな顎機能異常をもつ者各(顎機能異常群)5名を選出し,研究対象とした. 咬合膜型を採取し,歯列弓の三次元的形状を,非接触三次元形状計測装置(ユニスン社,VMS-250R)を用いてパソコン(COMPAQ社,Deskpro EP Series 6400)に取り込んだ.現在,歯列弓および歯槽基底弓の幅,歯槽基底の高さおよび傾斜,などの項目について計測中である. チューインガムを咀嚼する時の顎運動を顎運動総合検査装置(小野測器社,ナソヘキサグラフJM-1000)で記録した.また,咀嚼筋(咬筋,側頭筋,顎二腹筋)の筋電図を現有の筋電アンプ(NEC社,1253A)を用いて記録した.現在,解析ソフト(キッセイ社,BIMUTAS-E)を用いて,顎運動(開口相,咬合相,閉口相の時間,切歯路,垂直及び側方移動距離),筋電図(バーストのduration,cycle length,活動開始時間,積分値)を解析中である. また被験者を,正常群,顎機能異常,各5名ずつ増やし,同様の解析を行って結果の考察を、行う予定である.
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